Chorus

コーラスハルミオン

「ありがとうコンサート」レポート 

(堀江熙 記)

「コーラスハルミオン(以下、ハルミオン)」と「高橋晴美の音楽ネットワーク」のために身をなげうって尽力され、2015年12月に急逝された黒田勝也さんへの感謝の気持ちを歌声に託してお届けする『高橋晴美の愛と希望の世界 ありがとうコンサート』が、2016年5月5日、渋谷区の「古賀政男音楽博物館 けやきホール」で開催されました。

会場は、ステージと客席が接近した220席の小さなホールでした。このため、出演者が発信する黒田さんへの強い感謝の〝想い〟がストレートに客席に伝わり、 感動のあまりハンカチで目頭を抑えるお客様が数多くいらっしゃいました。そして、この感動の波動は天へと拡散し、黒田さんのもとに届いたであろうと確信しています。

【写真は、池田誠晴先生の指揮、高橋晴美クインテットの伴奏のもと、全員合唱で華やかにフィナーレを飾った出演者】

プログラムは二部構成でしたが、ハルミオンは第一部の冒頭で、黒田さんが待ち望んでいたア・カペラの演奏に挑戦、好評を博しました。コンサートでは初めてのア・カペラ演奏でしたが、ここに至るまでは悪戦苦闘の連続でした。グレゴリオ聖歌の第一人者でカウンターテナーの望月裕央先生を指導者に迎え、ア・カペラの発声法を基礎からたたき込んで頂きました。しかし、伴奏つきの曲しか歌った経験のないハルミオンにとってア・カペラは想像以上に難しく、一時はコンサートでの演奏をあきらめざるを得ない状況にまで追い詰められました。それでも、何としてでもア・カペラの歌声を黒田さんに届けたいという全員の強い気持ちが苦境を乗り越える原動力になり、コンサートでの演奏を叶えることができました。黒田さんもさぞ喜んで下さっているのではないかと思います。

【写真左:望月先生の指揮でア・カペラの演奏をするハルミオン。】  

【写真右:石井智子さん(左端)と「雪どけに」を合唱するハルミング】  

第一部の後半は遠藤いつ子さん女声コーラスハルミング、さらに、第二部の前半はボーカリストの石井智子さんがステージに立ち、ソロあり、重唱ありの多彩なプログラムでお客様を魅了しました。石井さんは、一年前に開催された東京湾でのディナーコンサートに出演して好評を博しましたが、アンコール出演となったこの日も、持ち前の表現力豊かな歌声で独自の『Harumi‘s World』を演出し、お客様の心をわしづかみにしました。

フィナーレは、静岡県から駆けつけた「コーラス虹の音」も加わっての全員合唱でした。指揮は、黒田さんの後任としてこのほど「高橋晴美の音楽ネットワーク」後援会長に就任された池田誠晴先生(山形県在住)が担当して下さいました。「コーラス虹の音」は、晴美先生の作品だけを歌う合唱団として静岡県三島市に発足したハルミオン傘下のコーラスグループで、一部のメンバーはハルミオンにも所属しています。通常は、ハルミオンの遠藤いつ子さんが指導していますが、晴美先生も三か月に一度は現地に足を運び、指導に当たられています。

感動的だったのは、アンコールで晴美先生がお客様への感謝の気持ちを込めて「約束」の弾き語りをした場面でした。先生の演奏が客席を〝とりこ〟にし、涙が止まらないお客様、涙をこらえる事に懸命なお客様、感動の面持ちでステージを凝視するお客様など、会場中がまるで興奮のるつぼと化したかのように見て取れました。

ステージ上でも、つられて涙ぐむ出演者がいたほどでした。この興奮状態は、続いて演奏した「ありがとう」「今、思い出を輝きに変えて」の全員合 唱の時にも収まらず、お客様の心の奥深くに『Harumi‘s World』の素晴らしさがしっかりと刻み込まれたことを感じ取ることが出来ました。

【写真左:お客様を感動させた晴美先生の弾き語り。写真右:フィナーレで客席に挨拶する晴美先生(左)と石井智子さん(右)】

「ありがとうコンサート」については、晴美先生が発行されている「Harumi‘s World News」の 「‘16春うらら号」、並びに、「‘16初夏号」「‘16初夏号-2」に詳報されていますので、合わせてご参照下さい。

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