2019年 春号

〜委嘱作品『約束だから』のご報告〜
 3月の節句も過ぎ、春も間近となってまいりましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますか。お陰様で私も、4月21日のコンサートに向け、着々と準備を進めております。

 そのような中、3月3日に、CDファーストアルバム『My Eternal Love』でもお馴染みの、まり遥さんの歌手生活30周年記念コンサートが神戸で開催され、30周年を記念して委嘱作品『約束だから』(まり遥作詞・高橋晴美作曲)の初演が行われました。詞が届いたのが1月10日、曲は約5分位の長さで出来れば3拍子であまり仰々しくないもの、2月1日のリハーサルに間に合わせてほしいとの事でした。

 う~ん…3月と4月のコンサートの諸準備やオーケストレーション、教育芸術社さんから依頼されている新曲の期限も迫る中で、一度はお断りをしようかと思ったものの、過去の記憶を思い起こせば、何故か忙しい時ほど曲が誕生するので、思い切ってお引き受けさせていただいたのでした。

 しかし、FAXで送られて来た歌詞を見た途端、書きたい!という衝動に駆られ、数日後には、ほぼ、まりさんのご要望通り5分ぐらいの3拍子のあまり仰々しくない曲が仕上がりました。勿論、作曲している間中、まりさんの声がずっとなり続けておりました。

 1月末、20年ぶりにまりさんが我が家に来てくださり新曲の音合わせをしたのですが、作品を大変に喜んで下さいました。想像していた通りの、あのまり遥さんの歌で、一緒にパリに行ったことなど懐かしく思い出し、何とも幸せな時間を過ごさせていただきました。まりさんからの委嘱作品は『そのままで』に続き2作目になりますが、『約束だから』も『そのままで』と共に、又、まりさんの十八番である『少年』と共に、末長く愛唱していただけたら幸せに思います。

〜『僕はアスリート』が楽譜のタイトルに〜
 さて、3月は昨年に続きまして、教育芸術社の春の合唱セミナーで『歌が息をする』と『あじさいの花』の新曲発表およびレクチャーをさせていただきますが、もう1曲『ぼくの風船』が完成し、3曲講習会で取り上げていただく事となりました。又、7月にCD付きで発刊される予定のNew Songライブラリー同声版に3曲(僕はアスリート、歌が息をする、あじさいの花)が掲載されるのですが、この本のタイトルが『僕はアスリート』になりましたとの事で、本の表紙が送られてまいりました。『僕はアスリート』は母を亡くした悲しみから立ち上がった時に書かせていただいた自分への応援歌でもありましたので、この知らせは私にとって特に嬉しいものでした。

 「自分に限界決めるな 流した涙で強くなれる~今 自分への挑戦が始まろうとしてる 今 終わりなき挑戦がここから始まる~」(渡瀬昌治作詞)と歌われるこの曲、49日の法要を終え、京都に『ひとつ』と竿石に刻まれたお墓を建立することができ、温かな気持ちを胸に抱いて帰宅した直後に生まれた曲でした。恐らく、天国の母がこの結果を誰よりも一番喜んでくれているのではないかと思い、そう思うだけで胸が熱くなります。

 そういえば…母が亡くなる数か月前に、「あなたは、これから子供のための曲を創ると良いんじゃない?」と言っていたことを思い出しました。まさか、小学生中学生の曲を続けて作曲するなどとは思ってもみませんでした。しかも、これらの曲を大人が実に楽しそうに嬉しそうに歌って下さるので、伴奏しながらこちらまでウキウキしてくるのです。やはり音楽は「音」「楽」ですね。

 そして、混声3部と同声3部2種類が採用となった『あじさいの花』のレコーディングが3月21日に行われます。子供たちの声で聴かせていただける日が、本当に楽しみです。作詞された藤田久男先生から『あじさいの花』の素晴らしい手記が届きましたので、ご紹介させていただきます。 どうぞお健やかに、素敵な春をお過ごしくださいませ。

2019年3月吉日
高橋晴美
~『あじさいの花』に寄せて~  藤田久男先生の手記ご紹介
あじさいの花
藤田久男

 入梅の季節になるとあじさいの花が咲き始めます。花の色や形は様々ですが、私は藍色の大きな手まりのようなあじさいの花が好きです。明るい陽射しに当たっても薄日の中でも、曇り空であっても雨が降っていても、それぞれに花や葉の彩りが鮮やで美しい花です。

 あじさいの花に近づいて見ますと、色も形も少しずつ異なった小さな花が集まり、一つの大きな花のようになって咲いています。小ぶりな花でもいじけてはいません、大ぶりな花も決して威張ってはいません。どの花も仲良く咲いています。そんな花が幾つも咲いている花園は、にぎやかで楽しそうな幼稚園や小学校の教室にように見えてきます。

 太平洋戦争前の日本は封建主義・軍国主義で恐ろしい国でした。小学校六年の時、竹槍で戦う軍事訓練があり、小学校を出たら戦争に行くのかと思いました。その翌年日本は敗北し、民主主義・平和主義の国に急転換して、「人権」という言葉が溢れてきました。

 「人権」とは何ですか、人の生命の大切さです。「人の生命」とは誰の生命ですか、たぶん「すべての人の生命」だと思うでしょうが、私はあえて「自分の生命」だと言いたいのです。自分のことを寂しいとも悲しいとも思ったことがない人が、他人(ひと)の寂しさや悲しさに気づくでしょうか。そんな人に「他人(ひと)の生命の大切さ」がわかるはずがないと思うからです。

 人はみな一人で生まれてきますが、一人では生きてません。まずは家庭で育てられ、成長するにつれて地域・国へと、また、学校園・職場へと、社会は広くなり大きくなります。どの社会にも、自分と同じ顔や性格の人は一人もいません。人はみな違いや差があるから自慢したり妬んだりするのでしょうが、この世に「私」という人は一人しかいません。そして、どんな人にも、楽しい時やうれしい事があれば寂しい時や悲しい事もあります。人と笑って喜ぶ人もあれば、人に笑われて落ち込む人もあります。だから、人はまず自分の生命を大切にし、自分らしく生きることが第一なのです。

 あじさいの花は、梅や桜のように華やかでもなく、薔薇や向日葵のように豪華でもありませんが、花言葉にあるようにあじさいの花は家族が集まって楽しむ「一家団欒」の花であり、家族が信頼し助け合って強い絆で結ばれる「謙虚」な花、つつましい花なのです。

 幼稚園や小学校でも、町内や職場でも、家族と同じように一緒に遊ぶ人・学ぶ人・働く人と仲良く過ごせたらいいな思いませんか。仲間・相手・他人(ひと)に近づき、特に強い人の方が弱い人の方へ近づき寄り添って共に生きようと思う人が多くなれば、その社会はきっと誰にとっても生き甲斐のある明るく楽しい社会になるでしょう。

私は長い間教育に携わってきました。教育界は希望の世界であるはずですが、いつも子どもが、いじめられた、虐待された、殺されたという暗い悲しいニューが絶えませんでした。若い皆さん、あなたが人の子の親になったら、「思やりの心」という言葉ばかりではなく、自分や他人(ひと)の生命や人格や個性を大切にする人を育てるために、「人を泣かせてはいないか・人に泣かされていないか。」「わが子も他人(ひと)の子」も、命がけで見守ってください。ましてや先生と言われる人になる人は、「個々の人間の尊厳」を認識して、体を張って「子どもを守り通す人間」であってほしいと、『あじさいの花』に添えて願わずにはいられません。

 拙作『あじさいの花』は、私の戦前戦後の人生八十七年、教職人生四十七年の記念品で、どこにもだれにも発表する心づもりはなく、ひそかな自分自身への勲章だと思っていました。

 不思議なご縁で京都教育大学付属中学校の卒業生高橋裕先生の同窓会・音楽会に出席し、奥様高橋晴美先生の歌に感激しファンになりました。「こんな詩でも歌になるでしょうか」と音楽の資質も素養も全くない老教師の夢を受け止めていただき、生涯たった一つの歌を立派な『あじさいの花』の勲章にしていただだきました。
高橋晴美先生に心から敬意と感謝の意を表します。ありがとうございました。

藤田先生からは、2017年12月号でもお手紙を頂戴いたしました。
よろしければこちらも併せましてご覧くださいませ。

2017年12月号
高橋晴美の音楽ネットワークのご案内
『高橋晴美の音楽ネットワーク』は高橋晴美の音楽の素晴らしさや聴いたり歌ったりする喜びを分かち合い、高橋晴美の音楽をもっともっと日本中いや世界中に広めて行きたいという思いで立ち上げた音楽ネットワークです。

会報の発送などはすべて有志のボランティアで行われておりますが、ホームページの作成及び維持費、郵送費、紙代、印刷代などは会費によって賄われています。

会員の皆様には、数々の活動状況も含めホームページ、メールや郵送で皆様方のもとに届けさせて頂くだけでなく、CDやDVD、親睦会、コンサートの料金割引等の特典もございます。 高橋晴美の『愛と優しさの輪』を拡げてゆくために是非、音楽ネットワークのご入会、ご協力のほど宜しく御願い申し上げます。

◆年会費に関しまして
・PCメールでのニュースご案内をご希望の方:年会費2,000円
・郵送でのニュースご案内をご希望の方:年会費3,000円

上記の年会費を下記へお振り込みください。
・振込先 :ゆうちょ銀行
・口座名 :高橋晴美の音楽ネットワーク
・口座番号 :00180-1-446596

※メール会員ご希望の方は、必ずアドレスをご記入ください。
後援会長:池田誠晴
副会長:藤原浩男
事務局:堀江熙、櫻田富恵

高橋晴美のオリジナル曲を歌う直属の混声合唱団「ハルミオン」で一緒に歌ってみませんか?
詳細はこちら♪ 練習日程
▲TOP
Close