2023年 夏 山中湖号


 酷暑の夏、皆様お元気でいらっしゃいますか。

 7月18日から22日まで、猛暑の都会を離れ、山中湖のスタジオでのレコーディングに行ってまいりました。朝夕は長そでを着るような緑の中で、アイスマウンテンのような富士山を拝し、大好きなベーゼンドルファーのフルコンを弾きながら行えるレコーディングは、まさに天からいただいた恵みの時間でした。

 今回のレコーディングは、18年前に出会い、栃木県からレッスンに通い続けてくださった靏見靖子さんの念願のレコーディングでした。収録予定曲は、『ひとつ』『海よりも空よりも』『母に贈るうた』『父の言葉』『祝福のうた』『祈り』そして、『夢咲き島』の全7曲。ピアノ1本の伴奏もあれば、ベースの芹澤薫樹さん、ドラムス・パーカッションの八木秀樹さんとのトリオもあり、懐かしい三線の音、そして、ラララの合唱も有りと、仕上がりがとても楽しみな内容になっております。

 これから、歌入れ作業、トラックダウン、デザイン、印刷、プレスと、CD完成まではまだまだ時間を要しますが、最後まで心尽くして完成させたいと思います。
靏見さんが、今回のレコーディングへの長い長い道のりを綴ってくださいましたので、ご紹介させていただきます。

魂との約束を果たしたい! ~レコーディングへの長い道のり~
靏見靖子
 晴美先生との出会いは、2008年11月28日(火)に開催された『ヒロシマ・ナガサキ平和の祈り 五色のコンサート』の合唱練習の時でした。『ひとつ』『Cantare ~歌よ大地に響け~』の2曲を歌った時、今までに感じたことない幸福感と心にダイレクトに響く曲に、衝撃と大きな感動を受けました。

 晴美先生の曲をもっと知りたい、もっと歌いたいという気持ちが溢れ、考える前にすぐ、先生に連絡をして、希望に燃え、胸を躍らせてレッスンに通い始めました。レッスンに通い始め、どんどん晴美先生の歌の世界に入り込んでいき、歌うたびに身が清められ、自分が軽くなっていく感覚がありましたが、とても難しく途方もなく高い階段を登っているようでした。

 こんなにも心を鷲掴みにする晴美先生の歌の源泉を知りたい!という欲求が高まり、私の歌の世界がどんどん広がっていきました。

 そんなある日、私のターニングポイントになった曲『祈り』を頂きました。その頃の私は、怖いもの知らずの天真爛漫で悩み事は何も無く、思い通りの人生を謳歌していました。
「もっと謙虚にならないとこの歌は届かない」と言われて頂いた曲でしたが、その時の私には理解できませんでした。しかし、今はこの曲を頂き心の底から感謝しております。

 順調に晴美先生のレッスンを重ね、順風満帆の毎日を送っていた2014年4月、主人がクモ膜下出血で倒れて私の生活が一変しました。主人がICUで生死の境を彷徨っていた2週間は、本当に辛い時間でした。ある日突然、身体の自由、言葉や仕事を全て奪われた主人をみて、私たちの持っている時間が有限である事を身をもって知り、限られた時間を大切に過ごすことを決め、毎回楽しみにしていた晴美先生のレッスンも3年間お休みさせて頂きましたが、主人を自宅で介護しながらも再開する事ができました。

 2018年にレッスンを再開した頃から、晴美先生の愛溢れる美しいピアノでCDを収録したいという夢が大きく膨らみ、思い切ってその夢を先生にご相談して、CD収録に向けて今まで以上の真剣さで歌に取り組むようになりました。久しぶりのレッスンに『祈り』を持って行ったところ、歌の深さが変わったと晴美先生に言って頂き、主人が倒れたことで私の人生観が変わり、感謝の心が大きく育ったことを感じました。主人の病や介護は、自分一人では乗り越えられなかった事が多々あり、沢山の方の力と愛を注いでいただき、感謝の毎日を送っています。

 CD制作を目標にレッスンに通い、具体的な話を進めていた頃、今度は新型コロナウィルスがみる間に広がり、緊急事態宣言が出てレッスンに通うのが難しくなってしまいました。
何年続くかわからない新型コロナの影響で介護の必要な主人の側を離れる事が難しくなり、CD制作を断念せざるをえない状況となってしまいました。しかし、「晴美先生の曲をもっともっと心の深いところで表現したい」という魂から湧き出る欲求がどんどん噴き出し、このままCD制作を諦めれば、将来必ず後悔する日が来ることを確信しました。そして、新型コロナの流行が一息ついた2022年の夏に晴美先生のレッスンを再開することにしました。

 レコーディングの日程も決まり練習に励んでいた丁度その頃、栃木で開催された『高橋晴美の愛と希望の世界』のコンサートにお誘い頂き、そこで晴美先生の歌の源泉である『愛の源泉』に触れるという貴重な体験をしました。この時を機に、歌に魂が宿るようになったのです。
晴美先生の曲が大好きで、魂を鷲掴みする曲の源泉を知りたいという私の長年の想いが紐解かれるような体感は、言葉に出来ない愛溢れる体験でした。

 晴美先生の曲には、色んな愛が表現されていて、どんな状況や心境で生まれた曲かを細かく教えて頂きましたが、私の体感した『愛の源泉』は、その全てを包み込む深く温かい胸が熱くなるものでした。この『愛の源泉』は、人間が感じることのできる限界以上のもので、さまざまな神仏の導きにより晴美先生は曲を作っていらっしゃる事を確信できました。
晴美先生の珠玉の曲たちは、叡智を超えた愛の源泉から生み出され、それぞれの輝きを放っているのです。

 晴美先生の愛すべき数々の曲から、CD制作のために選んだすべての曲は、沢山の思い出と共に心に深く染み込み、長い年月を一緒に歩み、私を育ててくれました。

 晴美先生との出会いの歌の『ひとつ』 私はこの曲を歌うたびに、[風]を感じます。
人類の平和を信じ祈る。人生は喜び!『ひとつ』が風となって、世界を良い方向へと導いてくれる。
地球上の皆がそれを感じられますように・・・

 思春期の娘のために何度も泣きながら歌った『海よりも空よりも』
この曲に何度、勇気を与えられたでしょう。どんな事も大きく包み込める器になりたいと思いながらも、何度も何度も打ちひしがれます。しかし、乗り越えるほどに力強く、優しくなり、人生の原点を知ることができた曲です。

 音楽の道に進むと決まった時から、全身全霊で応援してくれ一緒に楽しんでくれた母の思い出が蘇る『母に贈るうた』 年齢を重ねて来たからこそ、深く感じ歌うことが出来た曲で、歌う度に、愛と感謝で胸がいっぱいになります。
いまは、旅立ってしまった母に、ちゃんと感謝を伝えることが出来たのか?
母を偲び感謝と共に歌い続けていきたいと思っています。

 『父の言葉』は、父の存在が私の頑張る源になっていると気づかせてくれた曲です。
大変な時代を生き抜いてきた父が、子供に幸せになって欲しいという深い祈りを込めて贈ってくれた言葉は、幼い頃の思い出と共に人生の指針になっていたことをこの歌で知ることができました。
仕事が忙しかった父との思い出は、驚くほど少なく、この曲に出会わなかったら父への想いや感謝も忘れていたと思います。

 『祝福のうた』は、私の心の深い所から「歌いたい」という欲求が湧き出る歌です。
なぜ、こんなにも歌いたいのか自分でも判りません。
愛する人の旅立ちを見送る時、時間がとまり神聖な波動に包まれる
我も意識もなく、柔らかく温かい聖霊に迎えられ上昇していく
魂は次元を超え生き続ける

 『祈り』も『祝福のうた』と同じく、歌ったあとに浄化されたような感覚を味わうことができる歌です。
謙虚さを学ぶために頂いた『祈り』
心のままに生きて、沢山の人と出会い、色んな感情を味わって来ました。
そして、心と精神の成長を目指して生きてきました。
この曲に出会わなかったら、傲慢な自分に気づくことはなかったと思っています。

 大好きな『夢咲き島』 昔から沖縄には縁があり、絶対にCDに入れたいと思った1曲です。
沖縄の匂いと風を忘れる事ができません。
この曲を歌うたび、沖縄の人たちの素朴さや優しさを感じ、人と競り合う心が癒されます。
すべての苦しみ悲しみが、歌と共に昇華できる、そんな素敵な歌だと思います。

 いよいよ、待ちに待ったCD制作の時を迎えています。

『この日のために生きて来た 今日を夢みて歩いて来た』
(父の言葉より)

まさに今、魂との約束が果たされるときが来ました!

 富士山麓の収録で聴いた晴美先生のピアノの音色の美しさは、キラキラと光の粒が舞い、心に染み込むようでした。
 晴美先生のピアノ、ドラムの八木さん、ベースの芹澤さんと一緒に奏でる音は、富士の山にもエネルギーを頂き想像以上の喜びと美しさです!

 レコーディングで何日か晴美先生とご一緒させて頂き、最高のものを作り出そうとされる先生の集中力と熱意に感動し、私の音楽人生の集大成としてCD制作に全身全霊で取り組む決意を新たにしました。


(八木秀樹、高橋晴美、靏見靖子、芹澤薫樹)
 長年の夢が現実となる貴重な体験をさせて頂き、本当に有難うございます。

 溢れる愛と感謝を、晴美先生、八木さん、芹澤さん、レコーディングエンジニアの梶さん、アシスタントの小室さんはじめ、関わってくださった全ての皆様に贈りたいと思います。

靍見靖子
CDが無事完成いたしましたら、又ご報告させていただきます。


『ぼくの風船』教育芸術社より発刊ご報告


 8月冒頭に、教育芸術社より「New Songライブラリー」同声編5『ぼくの風船』がCDと一緒に送られてまいりました。この楽譜のタイトル曲『ぼくの風船』(渡瀬昌治作詞 高橋晴美作曲)、実は、6月11日のけやきホール成果発表コンサートと同じ日、同じ時間にレコーディングが行われたため、残念ながら本番に立ち会うことが出来ませんでした。そのため、5月に事前練習の指導に行かせていただきました。

 今回歌ってくださいましたのは「世田谷ジュ二ア合唱団」の皆さんでしたが、私の発する一言一言に「はい!」と、気持ちよく答えて下さり、一生懸命に歌ってくださいました。最後に「世界中の子供たちが空を見上げて歌っている姿を思い浮かべて、笑顔で歌ってくださいね!」と、伝えて会場を後にしました。

 レコーディング当日は、練習時に立ち会ってくださった教育芸術社の楽譜担当の方とコロンビアのレコーディング担当の方、そして、作詞をされた渡瀬昌治先生にお任せいたしました。とても素敵に歌ってくださり、関わってくださいました全ての方々に心より深く感謝申し上げます。
この歌もまた、多くの子供たちが歌ってくださることを願っております。
酷暑が続いておりますので、どうぞくれぐれもお身体お大切にお過ごしくださいませ。

2023年8月吉日  高橋晴美
高橋晴美の音楽ネットワークのご案内
『高橋晴美の音楽ネットワーク』は高橋晴美の音楽の素晴らしさや聴いたり歌ったりする喜びを分かち合い、高橋晴美の音楽をもっともっと日本中いや世界中に広めて行きたいという思いで立ち上げた音楽ネットワークです。

会報の発送などはすべて有志のボランティアで行われておりますが、ホームページの作成及び維持費、郵送費、紙代、印刷代などは会費によって賄われています。

会員の皆様には、数々の活動状況も含めホームページ、メールや郵送で皆様方のもとに届けさせて頂くだけでなく、CDやDVD、親睦会、コンサートの料金割引等の特典もございます。 高橋晴美の『愛と優しさの輪』を拡げてゆくために是非、音楽ネットワークのご入会、ご協力のほど宜しく御願い申し上げます。

「高橋晴美の音楽ネットワーク」は、1999年6月に設立、2023年2月に24周年を迎えました。これもひとえに皆様の温かなご支援のお陰と、心より篤く感謝、御礼申し上げます。
これからも、溢れる愛と希望を歌に乗せて、一人でも多くの方にお届けしてまいります。
今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
◆更新に関しまして

毎年2月は後援会の更新月にあたりますので、お手数おかけいたしますが、更新手続きをお願いいたします。
又、新規入会の方も宜しく御願い申し上げます。

◆年会費に関しまして

・PCメールでのニュースご案内をご希望の方:年会費2,000円
・郵送でのニュースご案内をご希望の方:年会費3,000円

上記の年会費を下記へお振り込みください。
窓口からお振込みの場合
・振込先 :ゆうちょ銀行
・口座名 :高橋晴美の音楽ネットワーク
・口座番号 :00180-1-446596
ゆうちょ銀行のATMからお振込みの場合
・振込先 :ゆうちょ銀行 ○一九(019)支店
・口座名 :高橋晴美の音楽ネットワーク
・口座番号 :446596
・預金種別 :当座預金
他の金融機関のATMからお振込みの場合
・振込先 :ゆうちょ銀行 ○一九(019)支店
・口座名 :高橋晴美の音楽ネットワーク
・口座番号 :0446596
・預金種別 :当座預金

※メール会員ご希望の方は、必ずメールアドレスをご記入ください。
高橋晴美の音楽ネットワーク 運営委員 (五十音順)
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坪田恵美子 中西由美子 中山宏子 西史子 堀内直治 堀江熙 妙圓薗猛 若林悟

高橋晴美のオリジナル曲を歌う直属の混声合唱団「ハルミオン」で一緒に歌ってみませんか?
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