晴 美 先 生と共 に − 海外演奏旅行のご報告
目黒まり


 私は8月7日〜21日の日程で、高橋晴美・裕御夫妻とグァテマラへ演奏旅行に御一緒するという大変幸せで貴重な体験を致しました。  私自身、海外でのコンサート活動は勿論のこと、一人きりでのリサイタルは生れて初めてでしたので、毎日ワクワクしながらも、コンサートが全て終了するまでは、ピーンと張り詰めた緊張感一杯の中で何としてでも成功させたい、との思いで練習に励む毎日でした。

 エルサルバドルから始まり、グァテマラではカミノ・レアル・ホテルでのリサイタル、国家宮殿でのリサイタル、小松一彦さん指揮グァテマラ国立交響楽団との合同コンサートと、3夜連続で演奏会ができるという貴重な経験をさせて頂くことが出来ましたのは、ほんとうに高橋晴美御夫妻をはじめとする皆様方のお陰です。


カミノレアルホテルリサイタル


国家宮殿リサイタル

 リサイタル後半の"高橋晴美の世界"では「Silent Love」から始まり「ひとつ」〜「今日−虹を渡る日」まで、晴美さんのファンなら皆さんご存知の曲を中心にしたプログラムでした。晴美さんご自身による伴奏で、晴美さんの曲を歌いながら、私自身、晴美さんが奏でるピアノの音に言い知れぬ温もりや優しさを感じ、今までの様々な感謝の気持ちが心の底から溢れてきて、この時ほど作曲者の晴美さんと自分の気持ちが重なり合って"ひとつ"になった演奏ができた事はありませんでした。
 そして驚いたことに、日本語が全く分からないはずの多くの会場の人達が、涙を流して「心から感動しました」とスペイン語や英語などで一生懸命に感動を伝えようとしていたことです。今回改めて、晴美さんの曲には晴美さん独自の愛の世界があり、そこにある音や言葉に精霊のようなものが宿っているのだなあと実感しました。

  リサイタル前半では「さくらさくら」「赤とんぼ」等の日本の懐かしい歌や、グァテマラの人達が誰もが知っているグァテマラの愛唱歌を、晴美さんの素晴らしい編曲・伴奏で歌いました。これらの曲も会場の皆さんは大変興奮して喜んでくださり、私もまた晴美さん独自の美しいハーモニー作りに改めて感動し、晴美さんのステキなピアノで初めてのリサイタルをさせて頂くことができて、本当に幸せでした。


 そして今回の演奏旅行の最大の目的だったオーケストラとのコンサートが最後に行われ、私は「天と地の物語」と「Cantare」を歌いました。国立オーケストラの団員達は、2年前に晴美さんと共演した事もあって、晴美さんの曲が大変好きな様子で、初練習の時も晴美さんの曲を演奏し終わる度に、オケから拍手と歓声がわきおこりました。



グァテマラ国立劇場コンサート
 

指揮者の小松さん、晴美さんと共に


この感動のコンサートに欠かせないのが指揮者の小松一彦さんでした。小松さんは大変深い所で晴美さんの曲を理解しておられて、彼が指揮台に立つとまるで指先から音をつむぎ出すかの如く、オーケストラから晴美さんの求めている音色を魔法のように引き出します。私自身も、とても分かりやすく本当にすばらしい指揮のもとで、心から音楽を楽しんで歌わせて頂きました。



 これらの全てのコンサートで、お客さま達が"オール・スタンディング"(総立ち)で心から拍手を送って下さったのでした。自分自身にはまだまだ合格点を付けるには至らないのすが、何よりもまだ経験の浅い未熟な私に声をかけてくださった高橋御夫妻に心から感謝致します。今回の演奏旅行は私にとって一生に残る思い出となりました。 これからも"高橋晴美の世界"を世界に羽ばたかせるお手伝いが出来たら幸せです。ありがとうございました。


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