みなさまのお便り 
★私、伊藤進と申します。鎌ヶ谷市立第二中学校という所で、教鞭をとっております。今年で34年になります。ご縁がありまして、宮本先生に色々お世話になりました。(文字通り本当に 色々と)
 ある時、宮本先生の姪ごさんのお話を伺いました。又、歌手をしていらっしゃることを知りました。私は大変興味を持ち、是非そのCDを聴いてみたいと申しましたところ、なんと作曲者 自身の高橋さんから送られてきたということで・・・。大変恐縮し感激しました。
 早速聴いてみました。いきさつがいきさつなものですから、最初に聴いたのは、永堀智子さんの「海よりも空よりも」でした。
 第一印象は何と伸びやかで美しい声だろうと言うことでした。又、きめ細かく、歌いこまれていることだろうということでした。(私が歌出身なものですから、歌い手さんの方に目が行って しまうのです)
 そのあと、妻と一緒に全曲聴かせていただきました。以下は感想のメモ書きからです。

・幼い日、母の胸に抱かれてやさしく語りかけられている私。
・音、あるいは光の波がひたひたと押しよせて、私の心を揺する。
・不思議なことに「聴いている私」から、世界が光を伴って拡がっていく。(ベートーベンなどの音楽が向こうからやってくるのに)
・歌手一人一人の方が、言葉を慈しみ、丁寧に歌っている。(音程も良いですね。 皆さん) ・無理にテクニックをつかって、こねりあげたものではない。心から湧き出たよう だ。


 もう、高橋さんのもとには専門家の方から、批評だのコメントがとどいていると思いますので、私ごときのコメントが?と思っております。蛇足ながら、妻は、私以上に高橋さんの曲が 好きです。そして、折りにふれ聴いています。(ちなみに妻も小学校で音楽を教えています。)
  生徒にも聴かせました。ある男の子が、おずおずとやってきまして、「やさしい曲だね。」こんなに閉塞感のある世の中です。高橋さんの音楽は、これからますます人々の心に広がっ ていくと思います。
  私もできたら、曲をつくりたいと希望しています。高橋さんのような方向でなく、暗く沈むような、実は私、今フィンランドの合唱音楽にハマっています。(理由は一回だけ行ったと言う、た だそれだけで)その合唱にも深く心を動かされます。
  今後の御活躍を心からお祈りしています。乱筆をお許し下さい。又、感想をお返しするのが遅くなり、申し訳なく思っています。CDを作られた方々にも機会が有りましたらよろしくお伝え 下さい。これからも生徒に折々聴かせていきたいと思っております。                     (千葉県 伊藤進)

★ 神奈川県立都岡高校合唱部は、3月に12回目の定期演奏会を終えました。 部員は10人と少ないのですが、みんな歌が大好きで毎日楽しく練習しています。 今回の演奏会は、「窓をあけてみたら」で始まり、最後にアンコールで「ひとつ」を歌って締めくくりました。特に私が生徒たちに強く薦めたわけではないのですが、生徒たちは「窓をあけて みたら」が大好きで、今や合唱部のテーマソングとなりつつあります。
 また「ひとつ」は昨年歌ったので今回は演奏会で歌う予定ではなかったのですが、1・2年生が、たった一人しかいなかった3年生を送るために、最後に歌いたいということで急遽アンコ ールで歌うことになりました。
 3年生を泣かせるはずだったのに、1年生がぼろぼろ泣き始めてしまって、演奏がどうなることかと心配しましたが、なんとか歌いきって、暖かな気持で演奏会を終えることができまし た。きっと聴いて下さった方の心の中にも何かが残ったのではないかと思います。
  我が合唱部の生徒たちは「夢飛行」を歌って以来、晴美さんの曲がとても気に入っています。これからも素敵な曲をたくさん作って下さい。 (神奈川県立都岡高校 合唱部顧問 市川 道伸)

★ 今回CDと共に送られてきました『CD発売記念演奏会・ビデオ』を鑑賞 させて頂きました。その臨場感溢れる皆様の歌声には、わくわく致しました。その中で、お言葉添えにありました“天と地の物語”を始めて拝聴しました。聴き重ねる度に、この日木流奈 さんの形而上学的な、哲学的な詩をも自分の音楽の世界に昇華してしまう高橋様のcapacityの広さにびっくりしました。私は音楽の専門性には全く疎いので、僭越な表現をどうかお許 し頂きたいのですが、人間の輪廻転生と同じように宇宙もその誕生(big bang)と死(収縮)の繰り返しであると現代物理学は言っています。それは、同時にこの詩が暗示するように、一 人のヒトの一生の中にも“現世の孤独の闇”に押し潰されそうな悲しみや苦しみもあるが、“お伽噺と見まごうほどの美しき愛”やそれに対する感謝の気持ちもがやがて必ず訪れるのだ よ、という意味ではないでしょうか?このことは高橋様の作品の全てに流れる“motif”や”theme”そのものではないでしょうか?仲野玲子さんが語り部のように語り(歌い)、それを裏打ち するようにbaseに流れる高橋様の曲調は、あくまで、しとやかに、しかし格調高く、時には高橋様の真髄である美しく優しい旋律が、顔を覗かせているようです。改めて、“高橋様の音楽 の世界”は、多彩な能力と研ぎすまされた、類い稀な感性の結晶として多くの珠玉の名作を産み出されているのではないかと拝察いたしました。“めざめ”も素敵な作品ですね。  

  でも、高橋様の音楽をこのように言葉で表現するのは、おこがましいと私自身思っております。私の尊敬する91歳になられる日野原重明先生(聖路加国際病院理事長、同名誉院長) は、その著書『生き方上手』の中で、永年の医療人生から、音楽によって病気治療や死の恐怖から軽減された事例をたくさんあげて、はっきりと仰っています。“音楽には病む人の心と からだを癒す力があります”と。さらに、“音楽ならば、言葉は音楽の翼にのせられ言葉では伝えきれない想いまで、いともたやすく伝え合うことができます。より心の奥深くに到達しうる のです。音楽的才能のあるなしにかかわらず、人は楽しいとき、悲しいとき、不安なときに、音楽によって心を慰められたり、勇気づけられたりするのもそのためでしょう。私にとっての音 楽もまた、いまも変わらず、生きる力を与えてくれるかけがえのない存在です。・・・”
 そして、先生は音楽療法の普及と音楽療法士の資格認定の制度作りに尽力されておりますが、残念ながら国家による資格認定にはもう少し年月がかかりそうです。
 医学・生物学研究者である私自身の研究からのみならず、医療関係者が、ここ数年、気付きだしたことが『心とからだを切り離した現代医療のまちがい』です。

 まだまだ高橋先生にお話したいことは沢山ありますが、最後にやはり私の尊敬する山岡昌之先生(九段坂病院、内科部長(診療内科))のお話をしたいと存じます。高橋様のCDを4枚 (My Eternal Love〜ひとつ)を、先日、山岡先生にプレゼントしました。先生は心療内科が専門で、心身症やPTSDのように、強度のストレスや心的外傷を受けて後天的に身体と精 神のバランスを崩してしまわれた方々の治療にあたっている大変有名な先生です。
 現在の日本の世相を反映して、先生の元を訪れる患者さんは5年前に比べて10倍以上にも増加しており、先生の診療は午後5時の病院の終了時間を過ぎても続き、真夜中から朝3 時近くにもなります。その先生自身は、お仕事柄、冷静かつ温厚で物静かなお人柄ですが、先日、高橋様のCDをかかえて私の研究室に入ってこられ、上気したように言いました。“先 生(山口)、この高橋晴美さんのCDはものすごく良い!本当に良い!曲といい詩といい、その素晴らしさに感動しましたよ・・・。きっと高橋様は勿論、○○様も天使のような心を持った方 だと思いますよ”(○○様は、私の知人のお名前です。)私は、先生のお言葉が自分のことのように嬉しくて嬉しくて。

 高橋様、私は心より願っております。“高橋晴美の音楽の世界”が日本人の、いや、世界の人々の、とくに苦しみや悲しみの中にとまどう人々に“愛や感謝の気持ち、そして未来への 希望”を与える種子となることを信じて。そして、日野原先生の本の最後のお言葉は“『ありがとう』のことばで人生をしめくくりたいものです。”と書いて ありました。私もかく有りたいものと思っております。高橋様にお会いできます日を楽しみにしています。
               (東京医科歯科大学 難治疾患研究所・遺伝生化学部門 山口登喜男)


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