ボストンと帯広から新年のおたより
   

CDアルバム「My Eternal Love」でお馴染みの永堀智子さんとマックスのわくわくシリーズの作者キャンベル紀子さんから新年のご挨拶が届きました。

[永堀智子さんから]

 新年あけましておめでとうございます。いよいよ私もここボストンでの最後のお正月 を迎えることになりました。

 ジャズを勉強しにアメリカのバークリー音大に入学してから、あっという間に4年の月日が過ぎました。もうじき数えきれない程のたくさんの思い出を日本に持って帰る予定です。ボストン生活以外の忘れられない思い出は、やはり留学直前に高橋晴美さん、そして晴美さんの曲に出会えた事でしょう。今から約5年前、日比谷シャンテで初めて晴美さんの音楽を耳にしました。指先で語る1つ1つの音がとてもキラキラしていて温かく、この人はきっと心の優しい人だと 音を 聞いた瞬間そう思いました。晴美さんの曲は全て優しさ、そして愛を感じます。きっと生まれた時からたくさんの愛を注がれてきたのでしょう。私もその一人です。ですから晴美さんの音楽はナチュラルな感覚で私の中で溶けていきます。晴美さんの自宅で初めて晴美さんの曲を何曲か初見で歌った時のことは今でも忘れません。綺麗につづられた音符、そして歌詞から晴美さんのその曲に対する思いがビンビン伝わってきて、まるで世界に1つしかない貴重な宝物を手にしているような気分でした。歌いながら何の抵抗もなく自然に私の体に馴染むあの時の心地よい感覚をハッキリ覚えております。

 やっと再び晴美さんの曲に触れられると思うとワクワクいたします。今年は晴美さんの曲を思う存分歌える年にしたいです。どうぞ宜しくお願いいたしま す。
 新しい年が皆様にとって幸せな年になりますように。
                             永堀智子

[キャンベルのり子さんから]

 始めて晴美さんにお会いしたのは昨年の冬。北海道帯広は連日マイナス10度を超す厳寒。空港で夫のデイビッドと一緒にお出迎えしたあと、晴美さん、画家のルイ・シンさん、編集者の佐古さんに十勝のビンとしばれる空気を吸っていただき、粉雪を吹き上げながら、雪原の1本道を我が家に向かって車を走らせました。

 家の中に入ると、北の住まいには薪ストーブも赤々燃え、ほおの冷たさも緩みます。温かいお茶で体をあたため、まずは皆さんにくつろいでいただきました。打ち合わせを始める前に、軽く腹ごしらえ、ということでサンドイッチを用意しました。晴美さんは私の焼いたパンをとても喜んで食べて下さいました。その時の我が家の雰囲気が、絵本のテ?マ曲「I Love Max」のインスピレーションになったのだと後で伺い、嬉しく思いました。 本当に、晴美さんは「マックスのわくわくシリーズ」のどの作品にも、心を込めてステキなメロディを創って下さいました。

 小さい子どもでも読めるよう、日本人のお母さんが無理なく読めるよう、できるだけ短く、簡単な表現で、と、かなり言葉を制限して作ったストーリーでしたが、文字では足りない部分を、音楽と効果音で見事に補って下さいました。シンセサイザーの音を駆使して、ルイ・シンさんの絵にピッタリの曲を合わせてくれました。 マックスの家族がピアノ、ドラム、サクスフォンなどを演奏するシーンは、それぞれの楽器の旋律を重ねあわせ、最後に踊りだしたくなるようなリズムのラテン音楽に盛り上がります。(わくわくハウス)。森のなかにあるマックスの学校を見渡すシーンでは湿った木々のにおいや飛び交う鳥たちの羽ばたきが感じられそうな、低いガムランの音色。(わくわくスクール)。Love will make you feel betterのメロディーはベッドによこたわるポップをのぞきこむマックスたちが奏でるやさしい子守唄。(わくわくフレンズ)どの曲も、晴美さんの、このバックアップでマックスの世界が何倍も豊かに膨らみました。晴美さんの曲に包まれて、子どもたちはマックスの世界に浸ります。晴美さんの曲に癒されて、励まされて、大人たちも子どもの頃の夢を思い出すようです。

 昨年は一年の締めくくりに「愛のピアノ」をリリースされました。つたない英語力ながら、私も声をかけていただき、晴美さんの詩を翻訳させてもらえたのは光栄でした。今年も晴美さんの手で紡がれたメロディーがたくさんの人たちの心を揺さぶることでしょう。2003年も御活躍、期待しております。              

キャンベルのりこ


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