ご あ い さ つ

河口湖スタジオにて

 抜けるような空の青さ、その下に広がるコスモス畑、ただそれだけで心が洗われるような美しい季節となりました。皆様お元気でいらっしゃいますか。実りの秋、皆様の今年の実りはいかがでしょうか。私の方は、コンサートやアレンジ、講演、レコーディング等、いろいろとございましたがお陰様でそれぞれの実りをいただく事が出来ました。その中から主に3つの出来事をホームページのHarumi's Messageより簡単にご紹介させていただきます。

1)〜中米3カ国公演を終えて〜
夢飛行15号の作成を終えるや否や、徹夜の準備で中米3カ国公演に出発いたしました。
今回はグァテマラ、エルサルバドル、ニカラグアの3カ国でリサイタルを行い、

エルサルバドルにて

最後にオーケストラと共演を行って帰ってまいりました。エルサルバドルの訪問は今回で2回目でしたが国を挙げてのイベントとなり、コンサートホールがこんなに埋まったのを見たことがないということでした。プログラム最後の「ひとつ」が終わると会場は拍手の渦で総立ちとなり、コンサートが終わるや否や副大統領自ら、ホール袖までいらしてくださいました。 「お客様が皆さん心癒されてとてもいい表情で帰ってゆかれました」と聞き、スーツケースが着かなかったことも忘れました。ハプニングだらけの日々の中で、今まで以上に中米の事が良く解りました。日本ではあたり前のことが奇跡に近い事である事を、又あらためて感じました。特に今回初めて訪れたニカラグアは、中米でも下から2番目に貧しい国である為、本番で使用したピアノには、出ない音がありました。鍵盤の高さがばらばらのそれは古いピアノでした。「このピアノでどこまで愛を伝える事が出来るのだろう…どうか愛が伝わりますように…」祈るような思いで1曲1曲を奏でました。音としては決して納得のゆくものではありませんでした。しかし、涙を拭いながら耳を傾けてくださるお客様の心は、実に温かいものでした。
音楽は世界共通の言語である事、その音楽を通して愛を伝える役割をいただいている事を、しみじみありがたく思いました。

2)〜ユニフェム講演コンサートを終えて〜
9月30日にカナダ大使館で行われましたユニフェム(国連婦人開発基金)での講演コンサートは、お陰様で満席となりました。お忙しい中を、お越しくだ さり最後までお耳を傾けてくださいました方々に心より御礼申し上げます。


 



高橋晴美の世界を歌う金さん


今回は金幸子さんに歌のお手伝いをいただきながら、雙葉学園での講演内容とは少し変えて“愛と感謝”をテーマに結婚当初の苦労話なども含め、私の女性としての生き方にも触れてお話させていただきました。講演の準備を進める中でこれまでの人生をあらためて振返りながら、又いろいろな事に気付かされました。いただいた役割のひとつひとつに深い意味を感じます。人と人との関わりの中でなんと多くの事を学ばせていただいている事でしょうか。又、旧友との再会があり、新たな出逢いの喜びがあり、しみじみありがたいなあ…と思っております。講演コンサートを聴いてくださった方の心に、何かひとつでも“愛”のメッセージが残りますように…。

3)〜河口湖でのレコーディングを終えて〜 今回のレコーディングは3年前から私の所にレッスンにいらしている福島順子さんのCD制作で行ってまいりました。全7曲私のオリジナル作品を歌われましたが、彼女の人生が歌に現れていて、実に心に染み入るレコーディングとなりました。
多くの歌い手さんの中でも、彼女ほど誠実にレッスンに通われた方はいないのではないかと思うほど真剣さが終始変わらないのです。ひたむきに歌に向かう姿勢の裏に、彼女の「自分が生きた証を残したい」という切実な思いがある事を知り、私もそんな彼女にとても心動かされました。


河口湖スタジオのコントロールルームにて

 

 1989年の作品「春の嵐」そして、リクエストの多い1991年の作品「恋ほろりん」がついにCDに収録されました。今回のレコーディングは、福島さんの歌と私のピアノとのデュオです。桜の季節に発売予定ですが、ご興味おありの方は是非お聴きになってみてください。
それにしても「たゆまぬ努力と祈りがあれば、すべての事が必ず叶う」(「父の言葉」より)は今の福島さんにぴったりの言葉に思います。 私の作品を心から愛して下さり、取り組んでくださった福島さんに、心からの「ありがとう」と「お疲れ様を」送りたいです。

さて、11月に入り、再び合唱曲の出版に向けて校正を始めると同時に、5月15日の東京芸術劇場大ホールでのオリジナルコンサートの準備を始めております。思い返せば、なんと多くの方々と出会わせていただき、多くの喜びをいただいたことでしょう。今年1年を振返ってみましても、1月の母校雙葉学園に於ける「パパの広場」での講演コンサートは、7月の雙葉学園新講堂での講演コンサートへと繋がってゆき、雙葉時代の先生方や同級生との再会をもたらし、コーラスハルミオンに多くのパパさん達が加わってくださる事となりました。さらにユニフェムでの講演コンサートは、「来年もっと大きな会場で…」と繋がって行く事となりました。ひとつの出会いがやがて多くの再会と新たな出会いをもたらし、愛の輪がどんどん膨らんでいっている事に、この上ない喜びと感謝の思いでいっぱいです。

 5月15日の芸術劇場に、今までいただいたひとつひとつの貴重な出会いが、大きな実りとなって成果をお届けする事が出来ますように、ベストを尽くして取り組みたいと思っております。今回のコンサートは、ソロ、バンド、オーケストラ、合唱等いろいろな編成で考えております。すでに雙葉学園同窓会ホールでは、毎月新しい合唱団員を迎えながら、コーラスハルミオンの練習が進められておりますが、出会えた方々と共に喜びを分かち合いたいと思っております。「ひとつ」「Cantare〜歌よ大地に響け〜」をオーケストラと一緒に歌ってみたいと思われる方は、是非ご参加くださいませ。お待ちしております 。


   高橋晴美


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