2017年 秋号
遂に完成! 2016・5・5「ありがとうコンサート」DVD(BD)
虫の声に、秋の訪れを感じる今日この頃ですが、皆様お元気でいらっしゃいますか。

 この夏は、春号でご紹介させていただいた芦屋コーラスの指揮指導者でいらっしゃる藤島章子様が家まで訪ねてきてくださったり、同じく春号でご紹介させていただいたフェリス女学院中高OG合唱団の指揮指導者でいらっしゃる三森杏実様が杉浦真理さんと一緒に訪ねてきてくださったりと嬉しいことがたくさんございました。
 
 また、プライべートでは、母が生まれ育った京都のお寺に竿石に「ひとつ」と刻まれた素晴らしいお墓が完成し、無事に分骨の納骨を終えることが出来ました。

  この日から、不思議と、いつも母と共に生かされている喜びに満ちて音楽活動をさせていただいております。きっと、母が喜んでくれているのだと思います。

 さて、本当に長い間お待たせいたしました。
 昨年5月5日にけやきホールで行われた「高橋晴美の愛と希望の世界 ありがとうコンサート」のDVD(BD)が出来上がってまいりました。これまで黒田氏のアシスタントを務めてきてくだった堀内直治氏が黒田さんのご恩に報いたい!と、両肩に重い責務を背負いながらも、音調整に1年半お付き合いくださいました。
 
  生業の傍らの作業でしたので1か月に1度か2度のペースでしたが、二人でコツコツと夢中で作業を続けてまいりました。そしてこの夏、堀内さんとの1年半に亘る音の調整が終わり、ようやく爽美録音さんのスタジオで映像に流し込む作業に入りました。弟から渡されたBDには2種類あり、1台は会場から弟が映したもの、もう1台はピアノの左に置かれた固定のカメラで映したものでした。ピアノの左に設置された固定カメラには、私の横顔と鍵盤を弾く私の手と、そしてその向こう側にはお客様が映っておりました。その映像を見て、思わず息をのみました。そのカメラの向こうに映っているのはお客様と話をする母の姿でした。

 私を見上げて嬉しそうに拍手する母を見て、「ああ…これが最後の母の動画だったのか…。長い年月、いつもこうやって私を応援し続けてくれたのか…」と涙がとめどなく溢れました。1年半掛かってディスクを作成しているうちに、結果的に二人の最愛の人に贈る「ありがとうコンサート」となってしまったのです。自ら弾き語りした「約束」は、あの時以上に深い意味を成し、聴く度に私の心に新たな誓いを立てさせます。
 
 「あなたが残した数え切れぬ愛の形見 必ず報いて再びあなたに会いたい 必ず報いてあなたに会いたい…」私にとりまして、本当に極めて貴重な映像となりました。 今、心の底から静かに沸き起こってくるものがあります。新曲を2曲書き終え、ピアノソロ楽譜を2曲書き上げたところです。この秋から、心機一転もっともっと皆様に喜んでいただけるよう努めてまいります!芸術の秋、食欲の秋!皆様も、どうぞ素敵な秋をお過ごしくださいませ。

2017年9月吉日
高橋晴美
DVD遂に完成! 「黒田さんからの宿題」
晴美: お疲れ様でございました!長い道のりでございました。黒田さんの後を継ぐということは並大抵の事ではありませんが、何だか運命的なものを感じますね。
堀内: 黒田さんには、僕、かばん持ちでついていきます!
って言っていましたけど、もっともっと元気でいていただきたかったです。
晴美: いつもお二人が楽しそうに作業しているのを見るのが好きでしたし、打ち上げもいつも専門の話で盛り上がっていましたよね!

(左から堀内直治、晴美、高橋裕 )

堀内: 黒田さんと僕だけが理系なので、話していて本当に楽しかったです。 黒田さんとは、コンサートの事前打ち合わせ編成確認くらいで、後は僕が機材を梱包して送り、現場でせーので始めて終わり。マイクを立てたりはしますけど、黒田さんが調整卓の前で調整しているのを見ていたり、ピアノのマイクの微妙な位置、ドラムのマイクのセッティングは全て黒田さん任せでした。
結線して、音が出るところまでは僕でも苦労なく出来るけど、黒田さんはMixを始めて、あるところから「音」が「音楽」に変わるんです!それが黒田マジックなんです。マイクの位置も黒田さんはこだわっていました。より良い音はどこにマイクを持っていけばよいか。だから黒田さんはピアノのマイク位置を何回も聞いては直しに行ってました。ピアノによっても、マイクの種類によっても、ホールによっても毎回違う。場所を問わない、機材を問わない、弘法筆を選ばず、ある機材を最大限に生かして音作りをする方でした。
体育館でも、畳の上でも、すり鉢状のホールでも。
晴美: 東日本大震災の慰問コンサート思い出しますね。寒い福島の体育館、仙台の畳の部屋…。 京都アルティーではすり鉢状の客席とステージを一人で何往復していたでしょうね。コンサートホールがスポーツジムと化してました(笑)黒田さんが作ってくださる音に包まれてピアノを弾くのは得も言われぬ幸せな時間でした。
堀内: 本番は本番の神様が降りて来るんですよ。ミュージシャンも本気、それを反映してくれるんです。勿論、リハーサル時に全曲細かな音調整をメモに書いていました。
黒田さんはエンジニアという肩書を持ったミュージシャンなんですよ。じゃなきゃ、出来ないですよ。ピアノの鍵盤がパソコンのキーボード(調整卓)なんですよね。
リハーサルから本番は大きくは変わらないけど、本番は事件が起こる。
音楽は基本は「即興」ということを黒田さんは解っている。毎回違うという事。未だ解らないのが、本番で「音」がどこから「音楽」に変わるのかが解らない。
コンサート終了後、最後の最後まで機材を運んだり25mのマルチケーブルを巻いてくれるし、クルーズの時なんて一人何役も。変にお高くとまっているとかではなく、能力はずば抜けているのに普通の人に徹している。
晴美: 本当に、誰からも愛された巨匠でした。その黒田さんがいつだったか、「俺の録音技術のノウハウを堀内さんに伝授しようかと思うのだけど、どうかな?」と聞かれたことがあります。
黒田さんは定年後、音にこだわる私がスタジオ代が嵩んで大変な思いをしないようにと、プロツールスを勉強してくださいました。私が皆さんにお伝えしたいと思っている「愛」を、最高の音にしてお届けし、皆様に喜んでいただけることを自らの喜びとして…。そんな黒田さんにとって、他に生業を持ちながら、音楽が好きで、機材を提供してくださり、被災地支援コンサートを始め地方のコンサートを自腹で一緒に回ってくださった堀内さんは、黒田さんの意志を継ぐ特別な存在だったのでしょうね。
堀内: 11月半ばくらいだったか、「スタジオを押さえようと思うのですが、土日でないとだめですか?」というメールが来て、「いえ、有給休暇があるので大丈夫です!」とお返事したけど、その返信は返ってこなかった…。
晴美: 早すぎましたよね。伝授していただきたかった…。
堀内: 昨年の初めに黒田さんが残したプロジェクトを聴くために、僕MacBookProを買いました!
今までは、WindowsのSamplitudeを使っていたんですが、本格的にプロツールスを使い始めました。けやきホールはMacBookProで録音しました。会場の音はサウンドマンにお任せでした。録音作業と出音の作業は一緒には出来ないので。クオリティーが落ちるので。
晴美: そう、黒田さんもそう仰ってました。両方は出来ないと、はっきり言われました。
堀内: 黒田さんは目から鱗的なことも何回かあって、「こんなことやっていいの!?」みたいなことをやってのけてしまう。サウンドマンの人はやらない。サウンドマンは守り、黒田さんは守ってもいない攻めてもいない、やりたいことをやっているだけ。だから、エンジニアという看板を背負ったミュージシャン。
晴美先生とのやり取りでも、結構意見が一致して趣味が合う、たまに合わないことがあってもそれが晴美先生の言うように直していくと音楽の形がくっきりと見えてくる。やっぱり、作った人にはかなわない。目から鱗。黒田さんとは別の意味で、音楽の構造がピンポイントでわかる。兎に角楽しかった!
裕: なるほど、それで今回の録音はどんなふうにして行ったのですか?
堀内: 我が家のマイクプリを総動員しました。僕は今回録音だけだったのですが後処理用にリバーブとイコライザーは新しいソフトを買いました。会場は生音+PAの音で聴いている、ビデオではPAの音しか入っていない、そのギャップは大きいと思います。そこで、①各楽器、ボーカルのマルチマイクの音②アンビエントマイク(会場音)③当日の会場のスピーカーに出している音(2Mix) この3種類のバランスを取りました。アカペラはあまりお風呂屋さんにはなりたくないし、楽器、ソリスト、ハルミングとの音量のバランスをとる。
合唱団とソリストやハルミングのバランスをとる。晴美先生と何度も聴いてはやり直し、月に1度か2度のペースでしたが、1年半かかりました。黒田さんだったら1~2か月で出来たでしょうけど。
裕: 晴美先生の音楽は外注では出来ない。晴美先生の音楽を解っていないから…。時間がかかっても、堀内さんに頼むしかない。
堀内: 夢を見ました。「約束」の音が出来上がって、PlayBackして思い通りの音が出来ている。黒田さんがOKしてくれているような…実際は、そこまで出来てはいませんが…。
晴美: 堀内さんに「約束」だけ入れるのやめましょうと言ったことがありました。この曲だけ、会場音を減らされてあまりに生々しくて恥ずかしくて…、そうしたら堀内さん「約束」を入れないのだったら、このDVDは作るのやめましょう!と間髪を入れずに応えられて…。
堀内: 「約束」は生々しい音が聞こえないといけない。最初に息を吸う音まで入っている。想いが乗った音が、人の心を打つ。その音を残したかった。あそこが到達点、あそこに至るためのコンサート、極論するとあの1曲を演奏するためにあのコンサートをやった。みんなの想いを考えると、そこへ凝集されていると思う。修正はしていない生の演奏。赤裸々が良かった。感情の吐露だから、そのままじゃないといけないんです。それがライブなんでしょうね。
想いが隅々まで込められていて、黒田さんの「歌は味だ」です。
晴美: 弟が、途中からドアップで私の横顔を映していて、「やめて~!」と思わず心の中で叫びましたよ。
堀内: 晴美先生のコンサートは、いつも黒田さんが卓をいじりながら泣いていた。自分もそういう気持ちになって黒田さんを見ると黒田さんも泣いていた。
裕: 晴美先生の音楽に対して、今後堀内さんはどのようにしたいと思っていますか?
堀内: 晴美先生とは趣味も合うけれど、曲がやっぱりいい曲!愛と情熱が無いものは音楽ではない。僕のライフワークだからいい曲をやりたい!黒田さんの僕への宿題だなあ…。
ノウハウを伝えることなく逝ってしまって、結局自分で探し出すしかない。お前には解けるだろう…と。
結果は黒田さんと違うと思いますが、あの世で議論出来たら楽しいだろうなあ。 晴美先生の音楽は、僕の一生のライフワークの大きな柱だと思います。
「愛のピアノⅡ」をあらたに起こしたいです!愛のピアノは黒田さんが作ったけれど、僕は新たにやりたい!これからのコンサートも勿論ご協力させていただきたいと思います。おこがましい事言っちゃいますけど、是非「愛のピアノⅡ」をやりたいです!是非よろしくお願いいたします!
晴美: 黒田さんとけやきホールで録音した「愛のピアノⅡ」の音源が入ったハードディスクが、結局見つからなくてね…。あれから随分と年月も流れ、色々な悲しみ苦しみを乗り越えて来て、たぶんあの時と今とでは、演奏も違うのではないかなあ…。この年になってこそ表現できる「愛のピアノ」を奏でたいと思います。是非、よろしくお願いいたします!
裕: いいねいいね!今度は、ピアノだけでなく他の楽器を入れたら?
晴美: 黒田さんには、ストリングスをかぶせたいと話していたのだけど、いずれにせよ第2弾は是非やりたいです!何だかわくわくしてきましたね!
あらためて、本当にお疲れ様でした!ありがとうございました!乾杯!
堀内:
裕:
乾杯!お疲れ様でした!

Cantare~歌よ大地に響け~ 中学生版出版のお知らせ
 Cantare~歌よ大地に響け~中学生版が、8月に教育芸術社より出版された「MY SONG」6訂版に掲載されました。

 中学生版の編曲にあたり、前奏を数小節カットし、またスキャットも音域を考慮して、1部分歌い易いバージョンに書き換えました。以前に音楽之友社から出版された高校2年の教科書に掲載されたときは混声3部でしたが、今回は混声4部となっております。

 今年4月に合唱の録音に立ち会わせていただきましたが、学生たちの前向きな若い熱気が伝わってきました!CD付きで、他にもたくさんの作曲家の方々の作品が入っていますので是非ご活用ください。

お便りご紹介
 ドキュメンタリー映画の監督をなさっている、北海道にお住いの岩崎靖子様からお便りとDVDが届きました。岩崎様も「ひとつ」がきっかけとなって連絡をいただきました。携わっていらっしゃる映画の内容もとても心に沁みましたので、是非ご紹介させていただきたいと思います。  
高橋晴美様
 はじめまして岩崎靖子と申します。先日突然お電話させていただいたものです。 高橋さんの「ひとつ」という曲に出会ったのは2007年頃。その後、ドキュメンタリー映画「宇宙の約束」を編集するにあたり、私はこの「ひとつ」という曲を何度も聴きました。この「ひとつ」という曲の持つ世界観やエッセンスが映画の中に注ぎ込まれたらうれしいなと思いました。

 「ひとつ」を聴いていると人間の最も崇高で美しい性質を思い出せます。そして自分の心もどんどん浄化されていく気がするのです。制作中、落ち込んだりイライラしたり、心の穏やかでない時はこの「ひとつ」を聴いて原点を思い出したのでした。私にとってとても大切な曲です。
この秋に本を出版することになり、その中でこのエピソードを是非書かせていただきたく、ご相談のお電話をいたしました。ご了承くださり、とてもうれしいです。本当にすばらしい曲を書いて下さってありがとうございます。

 また「風のうた」は私が人生で一番つらい失恋をした時にずっと聞き続けて、支えてもらった宝物の歌です。そんな歌の作曲者の方に直接お電話できてうれしかったです。完成した映画もよろしかったらご覧ください。
これからも世界に愛が生まれる音楽を届けて下さることを楽しみにしています。
岩崎靖子
 ミュージカルや映画など、ストーリーの中に絡んでゆく音楽の存在は本当に大きいものです。
以前「マックスのわくわくハウスにようこそ」という英語のミュージカル絵本の音楽制作を担当したことがありますが、いつかストーリーのある音楽制作をやってみたいと思います。


「ありがとうコンサート」DVDを見終えて ~ハルミング 西 史子より~
ハルミングのメンバーの西史子さんからDVDを見終わった感想が届きましたので、ご紹介させていただきます。

 追悼コンサートから1年4ヶ月、待ち焦がれたDVDです!とても楽しみでもありましたが、自分の姿が映っているのが怖くもありました。ドキドキの開封でした。

 まずは最初のハルミオンによるアカペラ「あこがれ」で、グッと引き込まれました。女声の透明さと男声の深みが感じられて、いつもより数倍も上手な合唱団のようでした!音響の方や堀内さんのお陰もありますが、望月先生に丁寧に辛抱強くご指導していただいたお陰だと思います。本番前の楽屋で、みんなで円になり手を繋ぎ、一緒に呼吸して気持ちをひとつにしたことを思い出しました。

 私はハルミングでも歌わせていただきましたが、歌っている自分の姿を見て反省する点も多く、今後の課題も見えました。映像に残ることで客観的に自分を見る機会を与えていただき、とても勉強になりました。

 石井智子さんのステージは圧巻でした!本番当日は裏手でモニター越しに見ていたので、DVDで拝見できるのを楽しみにしていました。
石井さんの表情、表現、お客様を惹き付ける力、これがプロのステージングなんだ!と感じました。曲ごとに物語を感じ、その世界に引き込まれていきます。実際に石井さんにお会いして、そんなに背が大きな方ではないのにステージでは大きく見え、大輪の花が咲いたようでした。

 そしてそして、何よりも心をグッと掴まれた、晴美先生の弾き語り「約束」。。。黒田さんへの想い、誓いを語られ、ピアノに向かわれ、静かに歌い出されます。その晴美先生にステージ側から寄ったカメラ、その向こう側の客席には晴美先生のお母様のお姿です!涙なくして見ることは出来ませんでした。堀内さんも仰っていますが、この1曲にたどり着くためのコンサートだったと言っても過言ではないと思います!一般に販売しないなんて本当に勿体ないと思いました!

 これから何度も見返して、自分自身も研鑽を積んでいきたいと思います。貴重な映像を私たちの手元に届けてくださり、ありがとうございました!

女声コーラスハルミング 西史子
今回のDVDは一般の販売はございません。ネットワーク会員の方にのみ実費でお分けいたします。
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