2024年 夏号

 酷暑の夏がようやく鎮まり始めておりますが、その後、お元気でいらっしゃいますか。

 この夏は、紫外線アレルギーの私は、流石に昼間は殆ど外に出られず、家での作業に勤しんでおりました。この写真は、せめても涼しい気分になっていただけたら…と、蓼科の美しい景色を弟に送ってもらいました。

 7月は一ヶ月がかりで、遂に、長年手を付けることが出来なかった母の遺品の整理をしました。そして、7月31日には家の現在使われていない3台のアプライトピアノが旅立ってゆきました。父のピアノは弟の友人の手元に、母のマホガニーのピアノは手を入れてご寄付させていただきました。そしてもう一台、私の幼馴染のEASTAINのマホガニーのピアノが、私の不在の間に2階から旅立つことに決まってしまったのでした!予想だにしていなかった突然の話!私が死ぬまでそばにいてくれるものと思っていた沢山の思い出が沁み込んだピアノだけに、夫に説得されてもなかなか踏ん切りが尽きませんでした。しかしながら、母屋の木造2階に置いてあるピアノは、この先大地震が起きた時のことを考えるとやむを得ない判断でした。

 2階からクレーンで搬出するために毎日片づけをしていると、小学校時代の音楽教科書や中高生の時の作曲ノートをはじめ懐かしい思い出の品々が見つかり、注がれてきた愛の深さにあらためて感謝の思いに打ち震えました。旅立ちの二日前、片付いた母屋の部屋に佇む古いEASTAINのピアノのふたを開け、生まれて初めて作曲した『さくらの花』や母とピアノ遊びをした時に作った曲を、片っ端から弾きました。

母が私の横に座り、物語を作って話してくれて、その物語を聞きながら同時に曲を作っていくあの楽しかった日々がよみがえり、涙が込み上げてきて鼻をすすりながら別れを告げました。

自分が生きている間は、傍にいてくれると信じ切っていただけに、断腸の思いでした。

31日は朝から晴れ。最初に運び出されるのが、私のEASTAINでした。

 EASTAINという名前は、東のスタインウェイということでつけられた名前だそうで、アプライトにしては良い音のピアノで、大学時代まで愛用していました。ただ、他のアプライトピアノよりもはるかに重いとのことで、ピアノ運送業者さんもかなり苦労して運び出しをしてくださいました。その一部始終をずっと見守っていましたが、クレーンで宙吊りになってゆく姿を天窓から見上げていると、胸が締め付けられる思いがしました。

 私にとってピアノは、友であり、恋人であり、一緒に作品を生み出してくれる私の人生の伴侶なのですが、特に初めてのピアノは歴史が沁み込んでいるだけに、本当に辛い別れでした。「廃棄処分」と書かれた見積書を見て、何とか救える道はないのかと調律師さんに連絡したところ、「廃棄の倉庫に持ってゆかずに、隣のうちの倉庫に運んでもらって見てみましょう」と言ってくださり、その言葉に、少し救われた気持ちになりました。

 幸い、弟が私の気持ちを直ぐに理解してくれて、もし修理が出来るのなら母のピアノを出した場所に運んでもらったら?と言ってくれたことで苦しい気持ちが一気に楽になりました。「うつ病になったら困るからね!」と、流石にDoctorです。手放すにしても、このワンクッションで本当に救われた気持ちになりました。

 というわけで、7月は遂に腰を上げた断捨離の月となりました。


エンドレスレコーディング?

 8月は石井智子さんに歌っていただいた『ひとつ』英語バージョンのシンセサイザー被せの録音を行いました。世界情勢を見ているうちに、来年の『ひとつ』誕生30周年まで待たずに今年リリースをした方が良いのではないかと思い、動き始めました。まるで母国語のように魂に訴えてくる智子さんの『Hitotsu』は、世界平和への祈りそのものです。CD制作は『祝福のうた』以来久しぶりですが、一番良い形で皆様のもとにお届けできるよう、色々と検討しております。又、詳細がはっきりいたしましたら、後日ニュースでお知らせいたします。

 更に、9月終わりには、再び靏見靖子さんのCD制作が、いよいよ大詰めを迎えます。

 昨年山中湖でお世話になったアシスタントエンジニアさんが、「え!まだやっているんですか!」と驚いていたとのこと‼(笑) 先を急がない靏見さんと、いつも「エンドレスレコーディング」と言われ続けてきた往生際の悪い高橋晴美のCD制作ではありますが、今年中には何とか仕上げるつもりで頑張ります!進行状況は、又お知らせいたします。

秋のちいさいコンサートご報告

楽屋にて(高橋晴美、後藤敬子)(中西由美子、佐々木理保子、晴美、鴨下恵)(後列左:森美代子、前列中央:高橋裕)

 去る9月15日、文京会館で~高橋晴美の愛と希望の世界~のご依頼を受け、オーケストラアンフィニと混声合唱団カントハルモニア、PureVoicesの皆さんと共に演奏させていただきました。

  後藤さんのソロとPureVoicesによる『Into the Light~光への旅立ち~』で元気にニコニコの笑顔でオープニングしました。そして、濱ちゃんこと中西由美子さんのソロとPureVoicesで『海よりも空よりも』をお届けしました。涙を拭って聴いてくださるお客様の姿に、あらためて、音楽を通して愛をお伝え出来る機会をいただいていることをありがたく思いました。

 そして、佐々木理保子さんとPureVoicesで『母に贈るうた』、森美代子さんのソロで『父の言葉』、その後、カントハルモニアが加わって、森美代子さんとカントハルモニアで『ありがとう』と、又前回とは違うプログラムでお送りいたしました。歌う人が代わると、新鮮な風が吹き、作品の持つ色も変わります。

 『ひとつ』は4番を英語で歌いましたが、母国語以上に「祈り」をお届け出来る合唱になることが、今後の大きな課題です。

雙葉学園同窓会ホールでコーラスハルミオン練習再開!
 秋の訪れが待ち遠しいような残暑厳しい9月21日に、コーラスハルミオンの四ツ谷雙葉学園同窓会ホールでの練習が、4年7か月振りに再開されました。コロナによって使用が中断され、長い間他会場(東京芸術劇場リハーサル室や浜離宮朝日ホールリハーサル室)をお借りして練習を再開してまいりましたが、この度ハルミオンに限り特別枠でということで、土曜日の午後の時間をハルミオンの練習会場として使わせていただけることになりました。

 元々、この会場をお借りできるようになったきっかけは2003年1月に雙葉学園修道院で行われている『パパの広場』(現在雙葉にお嬢様を通わせていらっしゃるお父様方の集まり)で、レクチャーコンサートのご依頼を受け、杉浦真理さんの歌と共に晴美作品を紹介しながら講演コンサートを行ったことでした。
夢飛行vol.14より

 そして、感動してくださったお父様方が、「今度は自分だけではなく家族にも聞かせてあげたい」ということで、7月に雙葉学園の新講堂で『私の音楽を育てた、父と母と母校』というタイトルでレクチャーコンサートをさせていただくことになり、この成功がきっかけとなって、同窓会ホールでの練習が始まったのでした。
夢飛行vol.15より

 今、振り返ってみて、あらためて、この一連のきっかけを作ってくださった同級生の中村典子さん、故シスター・フィリップに篤く感謝申し上げる次第です。

 来年、コーラスハルミオン25周年、『ひとつ』誕生30周年を迎えるにあたり、今このタイミングで母校の同窓会ホールに戻って練習を再開出来ることに深い意味を覚えます。

『~私の音楽を育てた父と母と母校~』
長年コーラスハルミオンを育んでくれたこの母校の同窓会ホールで、原点に立ち返り、感謝の思いを胸に抱いて、愛と希望を世界中に届けられる合唱団へと昇華してゆけるよう、精進してまいりたいと思います。

 気候不順の折、どうかくれぐれもお身体お大切にお過ごしくださいませ。

2024年9月吉日
高橋晴美
高橋晴美の音楽ネットワークのご案内
『高橋晴美の音楽ネットワーク』は高橋晴美の音楽の素晴らしさや聴いたり歌ったりする喜びを分かち合い、高橋晴美の音楽をもっともっと日本中いや世界中に広めて行きたいという思いで立ち上げた音楽ネットワークです。

会報の発送などはすべて有志のボランティアで行われておりますが、ホームページの作成及び維持費、郵送費、紙代、印刷代などは会費によって賄われています。

会員の皆様には、数々の活動状況も含めホームページ、メールや郵送で皆様方のもとに届けさせて頂くだけでなく、CDやDVD、親睦会、コンサートの料金割引等の特典もございます。 高橋晴美の『愛と優しさの輪』を拡げてゆくために是非、音楽ネットワークのご入会、ご協力のほど宜しく御願い申し上げます。

「高橋晴美の音楽ネットワーク」は、1999年6月に設立、2024年2月に25周年を迎えました。これもひとえに皆様の温かなご支援のお陰と、心より篤く感謝、御礼申し上げます。
これからも、溢れる愛と希望を歌に乗せて、一人でも多くの方にお届けしてまいります。
今後とも、変わらぬご支援を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
◆更新に関しまして

毎年2月は後援会の更新月にあたりますので、お手数おかけいたしますが、更新手続きをお願いいたします。
又、新規入会の方も宜しく御願い申し上げます。

◆年会費に関しまして

・PCメールでのニュースご案内をご希望の方:年会費2,000円
・郵送でのニュースご案内をご希望の方:年会費3,000円

上記の年会費を下記へお振り込みください。
窓口からお振込みの場合
・振込先 :ゆうちょ銀行
・口座名 :高橋晴美の音楽ネットワーク
・口座番号 :00180-1-446596
ゆうちょ銀行のATMからお振込みの場合
・振込先 :ゆうちょ銀行 ○一九(019)支店
・口座名 :高橋晴美の音楽ネットワーク
・口座番号 :446596
・預金種別 :当座預金
他の金融機関のATMからお振込みの場合
・振込先 :ゆうちょ銀行 ○一九(019)支店
・口座名 :高橋晴美の音楽ネットワーク
・口座番号 :0446596
・預金種別 :当座預金

※メール会員ご希望の方は、必ずメールアドレスをご記入ください。
高橋晴美の音楽ネットワーク 運営委員 (五十音順)
有川玲子 鴨下恵 後藤敬子 櫻田富恵 佐々木理保子 高橋裕 高橋有里子 竹内友英
坪田恵美子 中西由美子 中山宏子 西史子 堀内直治 堀江熙 妙圓薗猛 横山敏由紀 若林悟

高橋晴美のオリジナル曲を歌う直属の混声合唱団「ハルミオン」で一緒に歌ってみませんか?
詳細はこちら♪ 練習日程
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