高橋晴美の音楽ネットワーク ニュースレター   

♪「八幡小学校校歌〜今、思い出を輝きに変えて〜」混声4部合唱譜 4月発売!

  3月に入りましたが、まだまだ寒い日が続いております。皆様お変わりございませんか。雪の舞うような大地に、それでも春に向けて小さな命が確実に芽吹いている事に胸がいっぱいになります。被災地でも一歩ずつ復旧復興が進んでいる事をニュースなどで見聞きする度、深い感動を覚えます。

昨年の今頃は5月14日のコンサートに向けて、丁度チラシの発送の準備をしている頃でした。思い返せばこの1年は、5月の杉並公会堂を皮きりに、毎月、東日本被災地応援コンサートに奔走した1年でした。東京だけでなく、宮城、岩手、福島と、被災地も回らせていただき被災地応援コンサートをさせていただく中で、被災地の皆様と共に「ひとつ」と「八幡小学校校歌〜今、思い出を輝きに変えて〜」を歌わせて頂いてまいりました。「ひとつ」は皆さまご存じと思いますが、「八幡小学校校歌〜今、思い出を輝きに変えて〜」はまだご存じない方も沢山いらっしゃるのではないかと思います。

 この曲は昨年5月14日、杉並公会堂大ホールで開催された「高橋晴美の愛と癒やしの世界〜東日本大震災チャリティーコンサート〜」の第2部で、山形県酒田市より池田誠晴校長がいらして指揮をして下さったのが初演でしたが、この混声4部合唱の楽譜が4月に出版となります。 この合唱譜を出版するにあたり、ご存じない方のためにこの作品が出来るまでのいきさつをあらためてご紹介させていただきたいと思います。

♪ 池田誠晴校長との出会い

 池田誠晴先生は、昨年のチャリティーコンサート第2部で「八幡小学校校歌〜今、思い出を輝きに変えて〜」たった1曲の指揮をなさるために、遠路山形県酒田市からわざわざお越しくださいました。心温まるスピーチは会場のお客さまだけではなく、演奏者合唱団全員の心を捉え、その指揮は豊かで力強いエネルギーに満ち溢れておりました。私は、あの時の映像を見る度にあの時の感動がよみがえり、胸が熱くなります。

 池田誠晴校長とは、今年で早5年のお付き合いになります。2007年11月2日に酒田市希望ホールで行われた『酒田市中学生合唱祭』の最後に酒田市の中学校全校生徒で歌う「ひとつ」の合唱指導依頼のお電話から始まりました。突然のお電話でしたが、お電話越しの池田校長の謙虚なお言葉と熱意に感動致しました。この世にこの様な素晴らしい校長先生がいらっしゃる事が嬉しく、二つ返事でお引き受けさせていただきました。この事は、以前にも何度かニュースでもご紹介させていただいております長谷部浩先生(当時酒田市第4中学の先生)が2005年4月にセシオン杉並で聴かれた「ひとつ」が発端となって、酒田に種まきされた結果でした。

♪ 長谷部浩先生との出会い
 遡って、2005年4月、東京杉並区の「セシオン杉並」で行われた「杉並ジュニア混声合唱団」の演奏を聴きに行かれた長谷部浩さんが、アンコールで「ひとつ」を耳にした時から、全てがはじまりました。その1ヵ月後、長谷部さんから1通のお手紙が届きました。そこには「『人と人がとける、国と国がとける』このフレーズがあの日以来忘れられません」と記されておりました。その後のお手紙によりますと、長谷部先生の熱い想いは、第一回酒田市中学生合唱祭で酒田市第4中学が「ひとつ」を歌う事に始まり、卒業式では650人の大合唱となり、その時の感動の波紋は大きく広がって行ったそうです。2006年にはNHK全国学校音楽コンクール山形県大会で、酒田市立飛鳥中学校が自由曲に「ひとつ」を歌い(これがきっかけとなり2006年10月14日に「ひとつ」の合唱譜を出版)、更にその年の11月1日に開催された第二回酒田市中学生合唱祭には、酒田市立飛鳥中学校が女声三部で、酒田市立松山中学校が混声四部で「ひとつ」を合唱されたのでした。

 こうして酒田に蒔かれた「ひとつ」の種は、一人から何百人へと広がって行き、2007年11月2日に行われた第三回酒田市中学生合唱祭には、最後に全校生徒で歌う合唱曲に採り上げていただくことになったというわけです。池田誠晴先生からご丁寧なお電話、そしてご招待をいただき、酒田の地で約1000人の中学生が歌う「ひとつ」を初めて聴かせていただく事となったのです。その日が長谷部先生との感動的な初対面の日となりました。(その日の感動は、Harumi's World News 2007年11月12月号に載っています。)そして、セシオン杉並のアンコールから4年後の2009年2月14日、庄内町響ホールで「高橋晴美愛と癒やしの歌in庄内」が開催される事へと繋がってゆきました。

♪池田校長からの2回目のお電話
 2008年9月、丁度庄内コンサートに向けてのお話しが進んでいる頃、池田校長よりお電話がありました。

「折り入ってお願いがございます。実はこの度酒田市の3つの小学校が統合するにあたり、晴美様に新設される小学校の校歌の作詞作曲をお願い出来ませんでしょうか」と。「校歌の作詞作曲!」と一瞬怯みました。

「作詞は、生徒をこよなく愛していらっしゃる池田様がお書きになり、それに私が曲を付けさせていただくというのは如何でしょう!?」と申し上げました。しかし、池田校長のお気持ちは揺るぎのないものでした。「いえ、あくまでも、晴美様に作詞作曲で…」と、実に謙虚な物腰で、ゆっくりとじっくりと時間をかけて説き伏せられてしまった私は、気が付いた時にはお引き受けしていたのです。あの時の気持ちは、今もはっきりと覚えております。大役を仰せつかってしまったという恐れ多い気持ちと、必ずやお応えさせていただきたい!という心の底からふつふつと湧き起こる「気」が入り混じっていました。それは、池田校長が何故、有名な作詞家作曲家に依頼するのではなく、私をお選びくださったのかその理由が解かったからでした。校長は、今までの校歌の在り方への疑問をお話された後、合唱祭で「ひとつ」を聴かれた先生方や教育委員会の先生方が満場一致で推薦して下さった事をお話し下さいました。お話を伺っているうちに、今までの校歌とは違う次元の曲を求めていらっしゃると感じました。自分に求められているものがどういうものなのかが見えてきた時、私の脳裏には、子供達一人一人の尊い命や、その子供たちを育む美しい酒田の自然がきらきらと浮かび、私の心を未知の世界へと誘い始めていました。

♪ 八幡小学校校歌が誕生した時
 2008年12月、以前(ニュース2008年12月号)もご説明させていただきましたが、寒い12月に再び庄内空港へ向かいました。2つの閉校してしまう学校を訪ね、それぞれの学校の生徒達が楽しそうに学ぶ光景を見つめ、校長先生を始め先生方に色々とお話しを伺いました。閉校してゆく日向小学校では体育館で1年生から6年生まで全校生徒が順番に飛ぶ縄跳び(これは雪深い庄内ならではの冬のスポーツです)を見せていただき、大沢小学校では今まで子供たちがどんな環境で過ごしてきたか、夏の川遊び、冬の鎌倉作りなど、四季折々の子供達の様子を写真で知る事が出来ました。八幡小学校校舎の窓から見える鳥海山、学校を取り巻く庄内平野の自然をじっくりと見つめ、授業参観をさせていただき、子供たちと池田誠晴校長と一緒に給食もいただきました。その日、一言で言い表す事の出来ない深い感動を胸に学校を後にしました。

 その夜庄内コンサートの合唱指導が響きホールで行われました。雪のちらつく外とは裏腹に、ホールには子供から大人まで熱い思いを胸に集まって下さった団員の笑顔で溢れていました。雪の中、2時間かけて練習に参加されている団員もいらっしゃると聞き、雪深い庄内で培われてゆく大事な何かを心に受け止めてホテルに戻りました。ホテルに入り、荷物を置いたその途端、「今、思い出を輝きに変えて〜」というフレーズが口をついて出てきました。慌てて、5線紙を出してそのフレーズを書きとめました。後は、じっくり温めよう…と、素晴らしい酒田の1日を振り返りながら床につきました。

♪2009年4月4日八幡小学校開校式
 2009年3月に、全曲書き終えた私は、オーケストレーションした音源をバックに自ら歌ったCD-Rを作成し、ピアノ伴奏譜楽譜を作成し、3月30日に八幡小学校体育館で初めて子供達に新しい校歌を聴いてもらいました。

あの時の子供達の様子を、ビデオに録画しておきたかった…としみじみ思います。はにかみながら歌い始める子供達の横顔…やがて首を振りながら、最後は大きな声で歌ってくれました。 そして、4月4日未だ肌寒い八幡小学校の体育館で開校式が行われました。その様子は2009年4月号に詳しく載っております。

♪ 八幡小学校校歌の混声4部合唱

 この子供達もやがて卒業し、社会に羽ばたいてゆく時が来るであろう。そして、様々な悩みに遭遇する時が訪れるであろう。そんな時、美しいふるさとを思い出し、元気を取り戻してくれたら…という思いは、大人になって混声合唱でふるさとの四季を歌い合えたら素敵だろうなあ…という思いへと繋がってゆきました。思い立った途端に一気に書き上げたのがこの「八幡小学校校歌〜今、思い出を輝きに変えて〜」混声合唱です。

 庄内平野の冬は長く、冬は顔を上げて外を歩くことは出来ず、雪が口に入らないように口をつぐんで下を向いて黙々と歩くと長谷部先生から伺いました。そんな、忍耐の冬の後に咲く校庭の桜は、待ちに待った春の息吹を思わせるのです。『春は桜色の故郷の春、全ての命が息づく時〜』と始まる八幡小学校校歌、4節目には『冬は雪のベール凍る大地、全ての命が耐え行く時』と春夏秋冬を歌い「今、思い出を輝きに変えて、今、この時を新しく踏み出そう!」と転調する毎にだんだんと高揚してゆき、最後はボレロのリズムに「今、この時を新しく生きてゆこう!」と高らかに歌い上げる曲です。合唱の練習をしていていつも感じるのは、この曲の前奏の後に歌い出す合唱団の方々の何とも言えない晴れやかな笑顔です。

先日、沖縄の「アンサンブル晴」の真栄城さんから、「宮古島のコンサートで是非是非この曲を、コーラス庄内とハルミオンの方々と共に歌いたい!」という熱いメールが届きました。今年11月17日に宮古島マティダ市民劇場では、コーラス庄内と「コーラスハルミオン」「アンサンブル晴」と共に大合唱を予定しております。

愛から発したご縁の種まきは、本当に美しい幸せの花を咲かせてくれます。今年も、この曲を皆様と共に声高らかに歌わせていただきたいと思います。皆様も、是非ご一緒にお歌いになりませんか!


4月14日(土)福島市音楽堂にて「高橋晴美の愛と癒やしの世界」

 昨年11月の福島県二本松市に続き、4月14日には福島市音楽堂で行われる「負けないぞ福島宣言」で和合良一さんの朗読と共に、第2部で「高橋晴美の愛と癒やしの世界」コンサートをさせていただくことになりました。二本松市の体育館にコンサートを聴きにいらしていた梅宮勇造様より、コンサート終了後に「もっと大勢の方々にお聴かせしたいです。来年春あたりに福島市音楽堂でコンサートをしていただくことは可能ですか?」とお声をかけていただきました。全員が福島を応援するために、善意で集まった人ばかりで構成されている手作りのイベントです。福島にお知り合いの方がいらっしゃいましたら、是非お声をおかけ下さいませ。入場無料です。

 震災から早1年が経とうとしている今、テレビで1年前の大震災の映像と1年後の被災地の映像を見ていると、あらためて被害の凄まじさを痛感すると共に、これほどの試練に耐えてそれでも前向きに生きようとする被災地の方々の力強さに頭が下がる思いが致します。福島が背負った苦しみは、言葉に表わせるようなものではありません。音楽で少しでもお役に立たせていただけるのなら愛と希望を音に乗せてお届けさせていただきたいという思いで一杯です。宮城でも福島でも、演奏終了後に手を握り締めて感謝の想いを必死に伝えて下さるお客様のお姿に、「来させて頂いて良かった…」と何度思ったかしれませんでした。

 最近の調査によると東京にもいつ大震災が起きるか解らないそうですが、そういう切羽詰まった状況下に置かれているということは、ある意味で「命」の大切さや、時間の大切さ、そして人生の意味をしっかりと見つめる事を問いかけられているようにも思えるのです。 今年になって様々な種類の楽譜の注文が入り、その度に「早く楽譜出版しなさい!」とミューズの神にお尻を叩かれているような気がして、毎日毎日髪振り乱して5線紙とにらめっこしております。兎に角、今出来る精一杯の事をする!今を積む!これが日課となっております。楽譜作成は、毎回想いのままに伴奏する私にとって最も嫌いな事でしたが、待っていて下さる方がいらっしゃると言う事、求めて下さる方がいらっしゃるという事が、この上ない力となって私の背中を押してくれました。

4月には「八幡小学校校歌〜今、思い出を輝きに変えて〜」混声4部に続いて、「海よりも空よりも」混声4部、女声3部、「星降る夜に」混声4部を出版予定しております。

楽譜出版を自らの手で最後まで成し遂げることは本当に容易なことではありませんが、手塩にかけて育てた子供を嫁入りさせる親の気持ちに似ているのかもしれません。全霊を込めて只今作成しておりますので、もう暫くお待ちくださいませ。

♪ 遂にリリース決定!あの感動の「愛のチャリティーコンサート」

  「愛のチャリティーコンサート」の2枚組ライブ盤CD19曲入りのリリースがきまりました。あの日、チャリティーコンサートに快く賛同して下さいました、プロのミュージシャンや歌手の方々、そして遠路かけつけて下さいました池田校長、原発問題と余震の続く日本に「ひとつ」「Cantare〜歌よ大地に響け〜」を歌うために参加して下さった韓国の合唱団、沖縄のアンサンブル晴、被災地から駆け付けて下さった仙台ひろせ合唱の会、山形から参加して下さったコーラス庄内、富士のモルゲンローテ、や長泉の虹の音、アンフィニ、ハンドベルの会、エイサーの炎舞太鼓等々、CDの中に270名の愛がいっぱいいっぱい詰まっています!!聴き終った時に、愛と感動に包まれているでしょう。この愛の詰まったCDが、多くの方々の心に温かな癒やしと明日への希望を届けてくれることを心から願っております。

Disc1.@、Pray for the Earth A、風のうた B、窓をあけてみたら C、君のいない海 D、海よりも空よりも E、待ちわびた命 F、Jewelry Time G、母に贈るうた H、父の言葉 I、ありがとう


Disc2.@、星降る夜に A、天と地の物語、B、八幡小学校校歌~今、思い出を輝きに変えて~ C、今日−虹を渡る日 D、ひとつ E、Cantare~歌よ大地に響け~ F、夢咲き島 G、ひとつ(ハンドベル入り、会場全員)H、Pray for the Earth~願い~(合唱とエイサー入り)

予約ご希望の方は harumin519@nifty.com、
又は、TEL,FAX:03−3223−4387までお申し込みくださいませ。
64チャンネルハイクォリティーライブレコーディングCD 
4月中旬発売予定 2枚組(19曲入り)
定価\3,900円(会員価格\3500円5月末日まで)




■新しいCDアルバムリリースのご案内
 ☆愛の贈り物☆ 好評発売中!

■オンライン上でCDの購入申し込みができます…

 



配信のお知らせ

 この度11月24日より、高橋晴美のCD(「ひとつ」 「My Eternal Love」 「Delight Song」 「高橋晴美in ワルシャワ」 「しあわせのせて」 「愛のピアノ」 「高橋晴美 愛をうたう」「愛のコンサート」 の8種類が全国配信されました。 MUSICO、レコチョク、My Sound(ヤマハ)などのサイトからアーティストの名前、または曲名を入れて検索してください。お好みの曲がダウンロード出来ます。QRコードから、携帯にダウンロードも出来ます。是非ご活用ください。



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