高橋晴美の音楽ネットワーク ニュース レター  


猛暑の日々が続いておりますが、皆さまお元気でいらっしゃいますか。  

810日快晴の空の下、名古屋のカトリック南山教会に於いて、西脇純神父様指揮、スコラ・カントールムによる「祝福のうた」のレコーディングが行なわれました。録音は「ひとつ」のプレスの時から20年 来お世話になっている爽美録音さんが前乗りで担当して下さいました。そして、いつも私のイベントで黒田さんのアシスタントを務めて下さっている堀内直治さ んは一足先に現地入りし、夫と私は当日早朝に家を出て、名古屋のいりなか駅へと向かいました。なんと改札口には、西脇神父様自らがお迎えにいらして下さっ ており、この時が、西脇神父様との初対面となりました。

 

西脇神父様との出会いは、20084月に東久留米にある聖グレゴリオの家で行われたドイツの国家資格である教会音楽科Bの 試験で、雙葉時代の親友重田英子さんが「祝福のうた」を歌われたれた事がきっかけでした。彼女の話によりますと、当時教会音楽を勉強するためにグレゴリオ の家の教科音楽科に在籍されていた西脇神父様がこの歌をお聴きになられて、「是非楽譜を…」とご希望されたそうです。その後に、西脇神父様から「祝福のう た」の楽譜のお申し込みがありました。もともとパイプオルガンと聖歌隊という演奏形態で書き上げた楽譜でしたので、「いつか、この演奏を生で聴かせて頂き たい・・・」と大変興味をそそられた事を鮮明に記憶しております。         実は、この曲の伴奏はパイプオルガンを指定しているにも拘らず、なか なかパイプオルガンで演奏する機会が無く、私も1度だけ聖イグナチオ教会で雙葉時代の友人のお父様のお通夜でコーラスハルミオンの歌のバックでパイプオルガンを弾かせて頂いた貴重な体験があります。

今回の事で南山大学が上智大学の姉妹校と知り、尚更親しみを覚えました。と申しますのは、四ッ谷の上智大学は私が14年 間通っていた雙葉学園の向かいにあり、隣接している聖イグナチオ教会は、幼い頃から最も慣れ親しんできた心の故郷のような教会だったからなのです。作品を 聴かれた方から、「晴美さんはカトリックですか?」と尋ねられる事がよくありますが、幼い頃から生活の一部になっていた「祈り」は幼稚園からの雙葉の教育 とこの教会に培われたものではないかと言っても過言ではありません。

教会に入ったとたん、何とも懐かしい、あたたかなものに迎えられたような感動がありました。

「祝福のうた」は、199811月に渋谷の東邦生命ホールで行われた高橋晴美オリジナルコンサート‘98「今日ー虹を渡る日」が初演でした。1996年にリリースしたシングルCD「ひとつ」の英訳をしてくださった余宮滋敏様が末期癌で洗礼を受けられた時に誕生した曲です。1番は亡くなられる直前に余宮さんの平安を祈り、2番は心温まる通夜式の後に書かせていただきました。今までも大切な方が亡くなられる度に故人を偲んで演奏してまいりました。2000年にポーランドで、ワルシャワ国立管弦楽団の弦楽合奏で演奏収録、2013年にスタジオで森美代子さんに歌っていただき黒田さんが完成させて下さいましたが未だCDにはしておりませんでした。        

今年の3月に東日本大震災追悼コンサートで、南山大学スコラ・カントールムの皆様が演奏された「祝福のうた」を偶然耳にした事が引き金となり、黒田さんの最後のスタジオワークとなった「祝福のうた」のCD化に対して背中を押されたように今回の収録を思い立ったという訳です。

  お御堂の中に響くパイプオルガンの音と澄み切ったスコラ・カントールムの響きが融合し、聖なる空気感の中で録音は無事に終了しました。何と、幸福な時間 だった事でしょう…。堀内さんは、聴きながら黒田さんの事を思い出し思わず涙が…と仰っていましたが、きっときっと黒田さんにも届いたのではないでしょう か…。夏休みの極暑の中、終始真心を込めてお付き合い下さいました西脇神父様はじめスコラ・カントールムの皆様に、心より深く感謝申し上げます。

これからスタジオで調整し、是非皆様にお聴かせできるように頑張りたいと思います。

20168月吉日  高橋晴美


   こんばんは。無事に東京にお帰りでしょうか。
 今日は朝早くから名古屋までお出かけくださり、録音にお立ち合いくださいまして、ありがとうございました。 わたしたちにとって初めての、記念すべき録音となりました。さまざまなアドヴァイスをいただきましたのに、技量不足のためなかなかうまく対応できなかった ことを、申し訳なく思うと同時に、作曲にこめられた思いなどを語ってくださるなど、わたしたちを終始励ましてくださったことに、とても感謝しております。 おそらく、団員の学生たちも、今日の日のことは一生の宝物として、記憶に留めてくださることでしょう。 御主人の高橋先生はじめ、爽美録音のスタッフの皆さまにも感謝いたしております。どうぞよろしくお伝えくださいますようお願い申し上げます。 CDの完成までには未ださまざまなプロセスがあろうかと思います。今後ともお世話になりますが、重ねがさねどうぞよろしくお願い申し上げます。

西脇 純 

                                     

今年も、86日 を迎え、広島原爆投下の映像を見ながら壮絶な苦しみを背負って後世に伝えようとしている先人たちの声に耳を傾け、残された人間の成すべき事をあらためて考 えさせられました。縁あって私の元に来てくれた生徒さんの二人(遠藤いつ子さんと西史子さん前回のニュース最後に写真掲載)が86日生まれという事もあり、87日 にコーラスハルミオンの運営委員櫻田富恵さん宅で、誕生祝いを兼ねたコーラスハルミオン運営委員の打ち上げ女子会が行われました。櫻田さんが用意して下 さった美味しいお料理の数々に舌鼓をうちながら、皆さんと初めての女子会に盛り上がりました。その最後にケーキにろうそくを立ててお二人のHappy Birthday! この日、私は密かに計画を立てていた事がありました。 それは、2年前の86日遠藤さんの誕生日に、突然詩と曲が同時に口をついて出て来た作品をこの日の最後に弾き語りでプレゼントするという事でした。2年前、未だきちんとした楽譜も出来ていない状態で遠藤さんに弾き語りすると、遠藤さんは涙をポロポロ流しながら聴いてくれました。「楽譜をきちんと書き上げるまで待っていてね」と言いながら、あっと言う間に2年の歳月が流れてしまい、やっとそのタイミングを見つけたのです!イントロ間奏エンディングまで書き上げ、楽譜を浄書し、何とか女子会誕生日会に渡せるよう校正に校正を重ねる日々でした。この日、皆でHappy Birthdayを歌った後、ピアノを囲む皆さんの前で、弾き語りでプレゼントさせていただきました。

2年越しのバースデープレゼントでしたが、皆さんのほほに流れる涙に、このタイミングでプレゼント出来た事をしみじみ幸せに思いました。 

                高橋晴美


87日、ハルミングの西史子さんと私の誕生日祝いを兼ねて、櫻田さん宅で、初めての女子会が開かれました。晴美先生をお囲みし、櫻田さんの絶品手料理をいただきながら、晴美先生の音楽を共に歌う皆さんと楽しい時間を過ごしました。

 そして、贅沢にも晴美先生がピアノを弾いてくださり、皆でハッピーバースディを歌いました。ケーキをいただいている時、晴美先生から思いもよらないプレゼントをいただきました。

Birthdays Massageという曲です。タイトルの横には、“遠藤いつ子さんへ 心を込めて贈ります”と書かれていました。思い返せば2年前、レッスンの際に晴美先生が、「実はね、遠藤さんを想って曲を書いているのよ」とおっしゃって、弾き語ってくださいました。まさか、こんな自分にと恐れ多い気持ちとともに、晴美先生の底知れぬ深い愛情に、涙がこみ上げました。

  その歌詞には、歌い手として、人として、いつも先生が語ってくださった想いが綴られ、まさに母のように、大きく温かな愛を感じずにはいられませんでした。 晴美先生の、愛にあふれる優しさいっぱいの弾き語りを聴かせていただきながら、出会わせていただいてからこれまでの様々なことが頭の中を駆け巡り、感謝と 感動で涙があふれました。今の自分があるのは、晴美先生のおかげだと思っています。魂に響く歌をと、決して妥協をされず、常に私を引き上げてくださいまし た。歌だけでなく、MCの大切さも教えていただきました。

  そんな晴美先生の愛が詰まった曲を、自分が生まれた記念日にいただき、こんなに幸せなことはありません。と同時に、晴美先生のように心から人を愛し、先生 の想いに一歩でも近づけるよう、この曲を励みに、そして新たな人生のテーマソングとして、大切にしていきたいと思います。

 ありがとうございました。                        遠藤いつ子



日本各地が連日猛暑になっています。また予期もしない集中豪雨による災害が起きている地域もあり、異常な気象状況が気になるこの頃です。

「高橋晴美の音楽ネットワーク会員」の皆様いかがお過ごしでしょうか。  このように過ごしにくい夏ですが、会員の皆様それぞれにご健勝で心豊かにお過ごしになられていらっしゃることを祈念しています。

冬は凍てつく東北の当地ですが、立秋の今日37.2度 の猛暑、酷熱に見舞われています。こんな中で、私は「今、思い出を輝きに変えて」の「夏は日射し受けていちめん緑 全ての命が伸び行くとき」のフレーズを 口ずさみます。この夏の強い日射しが命を伸ばすのだ〜と思い、「暑い、暑い・・・」という身体から発する悲鳴が和らぎます。また夏の星座がきらめく夜には 「星降る夜に」を口ずさんでいると、酷熱で疲れた身体も癒されます。晴美さんの音楽は、私の猛暑、酷暑対策にもなっています。会員の皆様にも同様にお過ご しの方が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

先日、晴美さんと電話で1時間ほどお話をしました。

「い かがお過ごしでしょうか・・・・・」とお互いの近況のことに始まり、お互いに音楽に関係する様々な話になり、私がかかわってきた高校生、中学生との吹奏楽 指導で歌い合わせること、声を重ね、響きを溶け合わすことをレッスンしているのですなどと話しているうちに、話は今春5月5日に東京代々木のけやきホール で開催された「ありがとうコンサート」のことになりました。

 

いけだ:声を重ね、響きを溶け合わせる・・・・などお話ししましたら、5月の「ありがとうコンサート」を思い起こしました。第一部ハルミオンのアカペラは良かったですね。柔らかい響きに魅せられました。ハルミオンの皆様良く頑張られましたね。コンサートの素敵な幕開けでした。

晴美さん:本 当によく頑張ってくれました。多くの方にアカペラの演奏がとても良かったと言っていただけました。内心は心配していましたし、黒田さんからアカペラは難し いよとハルミオンにも言われていましたので・・・。ハルミオンのメンバーは、黒田さんへの感謝に報いるようアカペラの練習を頑張って積み上げたと思いま す。

いけだ:「あこがれ」「祝福の歌」「星降る夜」などアカペラでの演奏は晴美先生の音楽の良さを別の角度から引き出しましたね。リハーサルから聴いていて、望月裕央先生のご指導はすごいと感じましたね。

晴美さん:そうなんですよ!今回アカペラにトライできたのは最後まで諦めないで挑戦したハルミオンの皆さんの意欲と望月先生のご指導の賜物です。心配していた黒田さんも天上から「やったね! ハルミオンがんばったね!」と仰ってくださったのではないかと思います。

いけだ:この「ありがとうコンサート」を思い起こすたびに黒田さんのあの優しく大らかなすてきな笑顔が思い浮びますよね。

 こんな感じで「ありがとうコンサート」についての話は尽きることなく続き、あっという間に1時間も経ちました。私が出かける用事が入っていなければ、その話はまだまだ続いたことでしょう。

 心底に静かに息づいていた「ありがとうコンサート」が鮮明に浮かび上がりましたので、私が感じたことを少し綴ってみます。

高 橋晴美カルテット=芹澤薫樹さんのベース、八木秀樹さんのドラムス&パーカッション、鈴木直樹さんのクラリネット&サクソフォーン、小口佳子さんのヴァイ オリンは、晴美さんの音楽に込められた多彩な音の世界を存分に醸し出し、彼らが奏で創りだす彩りとリズム、トーンラインとコントラストがソロ、コーラスを 気持ちよく盛り上げ引き立ててくれます。いつもながらすごいカルテットですが、この度もすごく良かった!

ソリスト石井智子さんの観衆を魅了する歌声と表現力の素晴らしさ、遠藤いつ子さん、西史子さん、ハルミングの歌には心の琴線が振るえました。

ハルミオンとコーラス虹の音の皆さんの熱唱に、思わず指揮棒が宙高く舞ってしまうハプニングも起きましたが、そんなことにも動ぜず演奏に集中し、音楽を響きあわせる姿には「お見事」という言葉がぴったりです。

そんな演奏は、ご来場の皆様へ強く確かな波動として伝わり、大きな感動となって響きあったのではと感じています。

観客のおひとりであり、ネットワーク会員の伊藤陽吉さんがコンサートの後にこのようなお話しをなさいました。「晴美さんの音楽はすばらしいね。こんな心地良い、愉しい時間を過ごせたのは嬉しいね。幸せだね。」「ここには善男善女しかいないよ。ほら皆幸せな顔をしている。善い人たちの集まりだね。」このコンサートへの端的な評価のひとつであろうと思います。

晴 美さんの音楽のレコーディング、音響の全てを担われた音響界の巨匠であり、「高橋晴美の音楽ネットワーク」の会長として長年多大なご尽力をなされた黒田勝 也さんへ出演者の一人ひとりが胸の中にある彼への思いや感謝をしっかりと音楽として出し合って大きな“音の花束”を捧げたように感じました。

この8月は黒田さんの初盆になります。あらためてご冥福をお祈りいたしながら、「ありがとうコンサート」を振り返ってみました。

このコンサートを主催され多くの方に感動と幸せな時間をくださったハルミオン、そして実行委員の皆様に改めて敬意を表し、感謝申し上げます。

これからの晴美さんの様々な音楽活動とハルミオンのすてきな演奏活動を楽しみしています。

2016.8.7  
池田 誠晴

 ムジカハルミの門を叩かせて頂いて早一年・・・この度はハルミオンの一員として初舞台を踏ませて頂き、本当に感激・感動で一杯です!!

 晴美先生の曲は聴いているだけでも沢山の感動を頂きますが、実際に歌わせて頂くことで、格別のより深い感動を得られるという事を肌で感じました。

  団員の皆さんと心を合わせて歌わせて頂く練習時間は勿論の事、家で一人練習をしている時間も、もう異空間にいるような、何とも言えない温かさ、優しさに包 まれ、トゲトゲした心や気持ちがいつの間にか癒やされ、浄化されてそれだけでもどれ程、自分自身が救われているだろうとしみじみ感じる事が出来ました。大 げさではなく、晴美先生の音楽の中に居られる事が本当に幸せで、嬉しくて、個人レッスンだけでなくハルミオンにも入らせて頂けて心から良かった!!と思い ます。 

 そして今回の演奏会は黒田さんへ贈る特別な大切なコンサートでしたが、一年という短い時間ではありながらも晴美先生、黒田さんとのご縁の糸をたどってこのコンサートに立たせていただけた事に深い感慨を覚えます。

  コンサート本番は黒田さんの柔らかな笑顔が離れず、同じ空間にいらっしゃって見守って頂いているような、一緒にコンサートをしているような感じがして、あ たたかい安心感に包まれながら、でも想いが込み上げて必死で涙をこらえる場面も度々ありました。(今、このお手紙を書いていても思い出して泣けてしまうほ どです・・・)

 黒田さんが愛して止まない晴美先生の音楽を、私はこれから一人でも多くの方に聴いて頂きたい!!お届したい!!!という想いで一杯です。

これはこのコンサートを終えて沸々と滾るように生まれてきた私の強い想いです。

 その為にも、これから一日一日を大切に、自分自身を磨き、研鑽を積ませて頂きたいと思います!!

大変に至らぬ生徒ですが、これからもご指導の程、宜しくお願い申し上げます!!

長谷川理保子

「あ りがとうコンサート」開催の5月5日は、一日快晴の空の下、お客様も多数ご来場下さり、本当に愛と感動溢れるコンサートでした。コンサートの3週間前突然 起こった九州の大地震!毎日続く余震の報道を聞くたびに、熊本の恩師や学友のことが無事であるか気になり心痛む日々が続いておりましたが、どんな時であろ うとも晴美先生の音楽を聴いたり歌ったりすると、温かい気持ちになり、心が癒やされ希望が湧いてくるのを感じました。初めて挑戦したアカペラ3曲も、皆様 で一体化して美しいハーモニーを奏でる事ができ、聴いて下さった友人からも、称賛の声を頂きました。

  また、普段はなかなか聴くことの出来ない晴美先生の弾き語りは今回のコンサートの一番の楽しみでした。生演奏での晴美先生の温かい歌声とピアノの繊細な音 色は、黒田さんへの想いがひしひしと私達の心にも伝わり、感動で胸に熱いものが込み上げてきました。黒田さんも、また旅立たれたハルミオンの団員の方々も きっと天国で喜んでいらっしゃることでしょう!!

 この感動と愛あふれる音楽を、今度は九州の方々にもいつか聴いて頂ける機会があればと思います。

晴美先生、出演者の皆様、スタッフの皆様、そして黒田さん、本当にありがとうございました。

                              ハルミオン 原野美智子





             

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