桐朋学園短大学園祭でHarumi's World

 10月12日桐朋学園短期大学にて学園祭が執り行われました。「晴美先生の音楽を沢山の人に聞いてもらいたい!」 と昨年・一昨年に続き高橋晴美先生の曲でコンサートを開くことにしました。
桐朋生を集め小さな編成のオーケストラを結成し、指揮を高橋裕先生に・歌を目黒まりさんにお願いしました。企画を立てた私達の準備が遅かったせいもあり、初めは楽譜収集やメンバー集め・練習日設定・練習場所確保などなかなか思うように進みませんでした。また、晴美先生はレコーディングのため出演できないとの事で「うまくいくのかしら・・・」と正直不安でした。晴美先生がいらっしゃらないということは、ピアノを誰が !? あの綺麗な音を他に誰が出せるの? と・・・。 「ピアノは可奈ちゃんお願いします」と先生よりお言葉があった時には「やった〜! ! !」と喜び勇んだと同時に「えらいこった ! 」と焦りました。
 今年は短大のポロニアホールを私達の企画だけに開放してもらえる事となり、時間も自由でした。その為少しでも多くの方に沢山の曲を聴いていただきたい、と昨年よりも曲数を増やしました。始めに「海よりも空よりも」「母に贈るうた」の2曲をまりさんに歌って頂きピアノで演奏させて頂きました。次に「遥かなる大陸」「めざめ」をオーケストラ&ピアノで、続けて「天と地の物語」「今日−虹を渡る日」「ひとつ」「Canntare」を歌&オーケストラ&ピアノで演奏をしました。
 毎年来場者が極端に少ない短大学園祭に、この日は300人近く収容できるホールを半分以上埋め尽くす人が集まり、私達の演奏に耳を傾けて下さいました。少ない練習時間で未熟な私達の演奏にも関わらず、沢山の方が大きな拍手を下さり、温かい何かにつつまれている感じでした。鳴り止まぬ拍手の中、次にアンコールとして「母に贈るうた」を弦楽四重奏で演奏することにしました。これは次の日に企画していた'4台のヴァイオリン&ピアノ'で演奏する予定で、「母に贈るうた」の混声4部合唱を弦で弾いてみよう!と考えたものでした。あわせる時間がなく演奏はお粗末なものでしたが、聞いていたお客様には好評でびっくりしました。そしてもう1曲「星降る夜に」を歌&オーケストラ&ピアノで演奏し、最後にプログラムに記載しておいた「ひとつ」の歌詞を見てもらいながら全員で演奏させていただきました。

前列左端が筆者の原口さん

初めて聞いた人も多いであろう曲を、何故これだけ皆歌えるの!?とびっくりするぐらい会場中がひとつとなり歌われていました。涙を流す方もいらっしゃれば「癒された・聴けて本当によかった」と感謝の言葉をかけて下さる方もおられ、晴美先生の曲は心に響く・魂にまで響く音楽なんだな〜と感じました。私自身ピアノを弾きながら鳥肌がたつ場面がいくつかあったくらいです!
 きっと会場中が愛につつまれていた時間であったと私は思います。ひとつになっていた時間であったと・・・。また会場には、娘の演奏会になど滅多に顔を出さない私の父の姿がありました。聴きにきても眠っているだけという父が、聞き入るようにまりさんの歌声に耳を傾け、最後の「ひとつ」も熱唱していたらしいのです。頼んだMDの録音にはまりさんの声に重なり父の歌う「ひとつ」が録音され、それを無邪気に「デュエットだ♪」と喜ぶ父の姿には目を見張りました。これぞ高橋晴美さんの愛の力だな〜と笑い声に溢れたリビングを見渡し感じました。
 まだまだ未熟な私にとって小さい編成ながらもオーケストラと一緒に演奏することは大事でしたし、とても貴重な経験となりました。そして何より晴美先生の曲を演奏する楽しさ・聴いた友達からの'ありがとう'の言葉に、これ以上ないであろう幸せを感じました。このような機会をお与え下さった晴美先生に改めて感謝申し上げます。そして高橋晴美先生に・先生の音楽に出逢えた事に心から感謝します。ありがとうございました。


原口可奈


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