心をこめて歌った 音楽祭  遠藤いつ子


 12月7日、三島市の『水よ輝け 音楽祭』という催しでゲスト出演した際に、晴美先生の曲を歌わせていただきました。たいていの演奏会では、今まで勉強してきたオペラのアリアなどを歌っていましたが、今回は晴美先生の歌を歌ういいチャンスでした。
 初めて晴美先生の曲を聴いたとき、“私が探していた曲、求めていた音楽だ”と思いました。温かく、魂に響く先生の音楽が大好きで、今までレッスンしていただいた中で、自分が歌って気持ちいいだけでなく、もっと多くの人に先生の音楽を聴いてもらいたい、伝えたいという思いで“母に贈るうた”と“ひとつ”を歌わせていただきました。
 よくレッスンで“心で歌いなさい”と言われていましたが、今まで母にわがまま放題だった私は、なかなか『感謝』の気持ちが素直に出ませんでした。そんな時、母が腰を打ってしばらく動けなくなり、姉と2人で家のことをしたり、母の世話をするうちに、ありがたさや大切さに気づき、今こそ恩返しをしようと思い、母に対する気持ちも変わりました。また、今の世の中で“ひとつ”は説得力があったと思います。難しい曲ですが、心を込めて、祈りを込めて歌いました。

 いつも私が歌うとき必ず聴きに来てくれていた母が、腰が痛くて寝たきりのため「まさかあんたの歌が聴けなくなるとは思わなかったよ」というので、「せっかく“母に贈るうた”を歌うのに…」と冗談半分に言ったら、「えっ!じゃ這ってでも行く」と言い、本当に来てくれました。とても嬉しかったです。
 いつもは緊張して自分の力を出し切れないことが多いのですが、この日は初めから落ち着いて歌えました。というより、先生の歌を歌える喜びと、多くの人に伝えたいという強い思いであふれていたからだと思います。自分でも満足しています。両親も「心に響くいい歌だね。だれ一人、咳払いもせずに聴き入っていたよ」と喜んでくれました。また終わった後に「感動で涙が出ました」と言ってくださる方もおり、少しは役目を果たせたかなという感じでした。
 これからもっともっと、先生の歌を練習して、多くに人に伝えていきたいです。ありがとうございました。

 

 

 

 


 

 

 

わたしが見初めた VIRGO
 
 東欧の合唱王国リトアニアからVIRGO(ヴィルニュス大学女声合唱団)が初来日します。東京公演に先立ち3月6日(土)午後、雙葉同窓会ホールでコーラスハルミオンと交歓会を行なうことになりました。
 
 事の始まりは2003年6月29日、高橋晴美の音楽ネットワーク4周年記念パーティからだった。このパーティは、メインゲストに、バークリー音楽院から5年ぶりに帰国した永堀智子さんを迎えた、記念すべきパーティだった。
 そのパーティで小松原るなさんから「リトアニアのVIRGO という女性合唱団が日本に来たいと言っている。知り合いに頼まれたので、相談に乗ってあげて欲しい。資料は後で送ります」という話を聴き、「リトアニア?VIRGO (ビルゴ)?」私には全くその知識がなかった。小松原さんは、ライブやコンサート活動をしているカンツォーネの歌い手さんで、かつては晴美さんのコンサートにも何度か出ており、確か1996年のパリ公演の時も一緒に行っている筈である。「これはむげには断れない」と思った私に、数日後資料が届いた。そしてわたしの心は大きく動いた。
なんと美しい響き、そして懐かしさ。これは一朝一夕で出来るハーモニーではない。「この合唱団が晴美さんの曲を歌ったらどうだろう」…これが送られてきたCDを聴きながら最初に思った事だった。気が付いたときにはVIRGO の来日に奔走している村山さんに電話をしていた。「一度ハルミオンの練習を聴いてみませんか?」
 村山さんは、3年毎に欧州海外演奏旅行をしている新座少年少女合唱団の世話人を長年やってこられた方で、2002年のリトアニア公演の仕掛け人でもある。今はハルミオンの一員でもある村山さんはVIRGOの事を「高橋晴美さんの曲に共通する清清しい響き。その澄んだ透明な響きに呑み込まれた。わたしが初めて見初めた女声コーラスが“VIRGO”」と語っている。
 話は進み、今リトアニアでは「ひとつ」の女声合唱譜が届き、来日に備えて練習しているとの事である。私のもとにも彼女らの愛唱歌「The Summer Dance」が送られてきている。3月6日雙葉同窓会ホールに、VIRGOが歌う「ひとつ」がどの様に響くか今から楽しみでならない。(N.S)

 

 


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