合唱団の指揮者、 小野瀬照夫先生から
先日のCD完成記念演奏会に、オリジナル合唱団と高校生による合唱の部で演奏をし、多くの方々に聴いて頂きましたが、私も清らかで心に染み入る美しい曲の数々を振っているとそれだけで心が洗われ、浄められる気が致しました。
オリジナル合唱団
思えばちょうど1年前、晴美先生の「これから合唱に真剣に取り組みたい」という言葉を耳にし、オリジナル合唱団の話が進むなか指揮という大役を仰せつかり、とにかく全力で取り組みました。合唱団のみなさんは、「心から愛している晴美さんの曲を歌いたい」という共通の目的を持って練習にしっかりとついてきてくれました。「星降る夜に」のようなゆったりとした息の長い曲も、「夢飛行」のようなリズムのはっきりしたアップテンポの曲も、みなさん楽しみながらの努力が効を奏してとても良い合唱になってきました。
そもそも晴美先生の曲は、聴くだけでなく歌い口ずさんで楽しむ曲という感じがしておりましたが、オリジナル合唱団では、作詞・作曲の晴美先生本人による美しいピアノ伴奏を聴きながら歌うことができるのです。また、曲に求められるテンポや微妙なニュアンスを知ることができるので、指揮者としても大変嬉しいことです。
若い世代へ
それと同時に晴美先生の曲を、これからの21世紀の世の中を担っていく若い世代に是非聴かせ・歌わせて心の栄養を与えるが如く体験させたいとも思っておりました。たまたま教科書の編集委員をしていたので、出版社の方にもお薦めしたところ、このような考えをご理解くださったのでしょう、高校生・中学生用の合唱曲集や音楽関係の本にも載せていただくことになり、喜んでおります。
昨年2月には日頃より私が指揮している川越女子高校音楽部の生徒たちにも晴美先生の曲を提示したところ、6月の定期演奏会で歌いたいということになり、ご無理のお願いをして「母に贈るうた」を女声3部に編曲していただき、晴美先生ほか佐古さん・高山さん来場のなか、そこで発表しました。練習している頃は、上級生が歌っていると1年生たちがそれを聴いて涙を流しながら「良い曲!」といって感動していたのを思い出します。
今回の演奏会でも、その「母に贈るうた」と「星降る夜に」(ア・カペラ)を歌いました。これをきっかけに部員たちも晴美先生の曲のファンになり、最近音楽室では生徒の口ずさむ晴美先生の曲が飛び交うようになりました。
今の若者を取り巻く音楽は数多いのですが、たとえば「感謝の念」や「素直に喜ぶ心」または「親や相手を敬う気持ちや態度」を教え、心の奥深い世界から感動させる音楽はそう多くはありません。その点晴美先生から生まれる音楽は、そういうものを呼び起こさせてくれるのです。これは、特に現代の若い世代には受け継いでいき、21世紀の文明を造る糧として利用して欲しいものです。
これから
今や平成元年生まれの世代が中学年になろうとしている時となってしまいました。時の経つのは本当に早いものですが、私達もその時流に晴美先生の音の波動を流し、さわやかな笑顔にあふれる歌を、もっともっと広げて行きたいと思います。